二月大歌舞伎 (夜)
見ようかなーどうしよっかなーと思っていた二月歌舞伎
野崎村という演目は興味しんしんだし、「今見逃したらもう二度と見れないかも」という強迫観念におそわれて結局行ってきました。(まあ、そんなこといったらすべての演劇は二度と見れないわけですが…最近、ああ悔しい悔しいと思うことしきり) だって“野崎村”の主要キャスト五人のいっちゃん年下が73歳だそうですよ。あげくその五人がオール人間国宝ですよ。日本の宝ですよ。すごいね。 ■ぢいさんばあさん■ ぢいさんの仁左衛門がかわいい(笑) 二組のバカップルが出てくる話ですよと言えないこともないけど、いやまあ凄いね、一年の単身赴任のはずが人斬っちゃったせいで一度も会えずに三七年。何を考えてるんだ。 これは、ふたりがしんそこラブラブだからこそ、そしてぢいさんの人となりが穏やかで優しげだからこそハッピーエンドになり得る物語だと思います。謝っててもなんか不遜なじいさんだったら再会のシーンが可愛らしく幸せらしくならなそうだもんな。役者を選びそうですねえ。 それにしても「るん」ってかわいい名前だな、と思ったら原作が森鴎外。なんか納得。(だって子どもや孫にアンヌやらジャックやらハンスやらと読む名をつける人ですよ) 悪者役の市川團蔵さんがカッコよかった… 欄干から落ちちゃうのでびっくりしました。 ■新版歌祭文(野崎村)■ 許婚の久松と婚礼準備にうきうきな田舎娘お光のところに、久松(雁治郎)の元奉公先のお嬢さんお染ちゃんがやってきて、久松と二人心中しようと決意します。最初はお染にムカッ腹をたてていたお光ちゃんもそれをみて、尼さんになって身を引きますわ… という。 大阪松竹座で十月に、勘太郎のお光と七之助のお染という若々初々しい野崎村が演じられて今月はその正反対というか、熟年ベテラン野崎村でしょうかね。 人間国宝がどれだけ凄いのかとかわかりませんが、よかったよかった。芝居って年齢とか顔じゃねえのだな。人間って凄いや。 芝翫のお光。わーわーむにゃむにゃ一人ごといったり、眉を隠して「ワァ恥ずかし」と言ったりするところがもうやばい、かわいいっていうかなんなんでしょう、とても田舎娘っぽい。体型がドラミちゃんみたいなところもすごくよいよ…!(←大失礼) お染の差し入れをひょいひょいぶん投げたり、縁台に足をぶらぶらさせたり、大根の切れ端をぞんざいにうっちゃったりするような、ちょっとガサツな感じがまたいいです。かーわいい だからなおさら、最後に「ととさん!!」とおやじさんの胸に伏して泣くお光がえらい可哀想。。あそこ、すっごいよかった。ズキュンときますね。 お光ちゃんも若いから、思わず後先考えずに尼さんになっちゃったんじゃなかろうか。ばかだなあ、男は久松だけじゃねえよ…ってそういう話でもないのか。それにしてもなあ…。 そして雀右衛門のお染。こ、こ、この人は本当に八十数歳なのでありますか? 3B席なのでもちろんよくは見えませんが、とてもそんな歳には見えない。人間ってすげえや… 美人でおっとりしてて優しげで、実にいいお嬢さんなお染さまでした。 にしても久松、八方美人の甲斐性なしですねぇ。いかんねえ。 …勘太郎と七之助の野崎村をますますみたくなりました。 ■二人椀久■ 仁左衛門と孝太郎さんのおどり。 注目してなかったけど、これがなんとまことに素晴らしく良かった…!! あんまりびっくり感動してしまって、第一幕が何の演目だったのかしばらく思い出せませんでした。素敵すぎ。もう一度観にいってしまいたいくらい好きだ。 遊女と若者という役どころのせいなのか、顔があまり似てないということなのか、知らなかったらこの二人到底親子とは思えません。孝太郎さんなによーいいじゃないのーちょっとー! 松山太夫(孝太郎)が金色の紙ふぶきふりしきる紗幕の裏で消えていくところ、最高です。やばいやばいこりゃやばい。素敵すぎる。歌舞伎舞踊って、ええねぇ…! 長唄お囃子がこれまた、ぞくぞくするほどカッコよかった。イヨォぉ、っていう掛け声、病みつきになりそうです。 ■
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by lowoolong
| 2005-02-15 18:22
| 歌舞伎
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