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桜姫 二回目/七郎お十について

6月23日(夜)@bunkamuraシアターコクーン

爪も桜姫 自己満足
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行ってきまーす


***
行ってきましたー
え、ていうかこのお芝居はこんなに長かったんだ……!わお…
前回はマジで役者に見とれており時間を忘れておった模様)

・あさひ7オユキ(←パンフレットを見るまで徹底した誤植だと思ってた)の白菊丸についての口上がかなり好きだわっと気づいた。「え~~♪」っていうのが。カッコイー
・ミエがよく見えて嬉しいわー(鼻血もね)
・悪五郎(勘太郎)さんが、権助に「はーい」とか返事をするところ、私のすぐ後ろにおってマジびっくりした。出てくることは分かっていたはずなのに
・権助の顔に痣ができたのは、清玄が死んでからだったのかと。納得。
ていうか橋之助&福助はエロティックですねえ… 春画の桜姫の絵は、まったくトランスセクシャルの極地だと思う。女形の裸体が女の裸で、うぬぬぬぬ(泡)
・二幕目で変わった緞帳の清玄の絵、超かっこいい……
・桜姫が後ろへ放り投げるむしろがじつに綺麗な落ち方をしている(こっちは21日のほうがきれいだった)


さて↓に記した疑問点
とりわけ一番わけわからんかったのは粟津七郎&お十夫婦だったのですが

・お十さんは庵室で預かった子が「お主の子」とはわかっていたようであり
・七郎はわかっていなかったようであり
・お十さんがいない隙に七郎が子を捨てちゃって
・お十さんは権助の家で、風鈴お姫が桜姫だと気づいたらしい(お辞儀してたし)
・けっこう、七郎とお十さんはあれでいい仲のご夫婦の模様

……ええと 三社祭で仲間が豪儀にいさむから十両を借りるのに、かかぁを掛取りにして?とかゆーのはお十を借金のかたにしやがったってことだろうか
うわーなんか駄目だな七郎! 何度もヒーローみたいな登場をしよってからに(笑)
串田演出の七郎は間が抜けてて空廻ってて愉快ですが、又五郎さんも以前粟津の七郎をやっていたらしく「どうもはっきりとしない役ですがマァ二枚目がかった辛抱役なのでしょう」とか「捨て子のところなどまるでわかりませんね」とかいっているのでなんか安心しました。(by国立劇場上演資料集341) わかんなくていいのだな!
しかし、そうであるならせっかくのコクーン歌舞伎、むりっくりに解釈をつけてもよいような気がしますがね。そうでなければ切り捨てるとか。うーん、こんなことで引っかかるのも変だとは思うけど

ただ、このふたりの夫婦の存在は、「どーしてあんなお主のためにがんばるんだろうなー」みたいな感じがあって、間抜けでかわいそうでちょっと愛しいです。
桜姫は、まあ実際かわいそうな身の上ではあるんだけどけっこう好きな人のためにいられたわけだし。それに引き比べて、……まあ空回りまくりの七郎はともかく、お十さんなんて身替りにお女郎にいっちゃうのだし。
夏祭浪花鑑の磯之丈と団七たちの関係にも近いものがあるかもしれない。


+++
二十両の方に取られて、権助の家で赤ちゃんをあやしているお十さんの勘太郎さんはいい演技しとるなあと思いました。セリフじゃなく、はっとする仕草、おやと思う仕草、でお十がどんな人間であるかを表していると思う。本当にお乳をやっているように見えるし。。
by lowoolong | 2005-06-23 16:05 | 歌舞伎
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