法界坊 ―隅田川続俤―
♪しめしめしめた しめこのうさうさ♪
中村座は楽しそうだなああ~ かばんとられたお客さんはその後どうしたろう、と思ったら野分姫の霊からお詫びされたのね。 弥十郎さんの前説(中説?)とかもあってものっそい得をした気分です。 ナマグサ坊主の法界坊は、実は名家吉田屋の若様な手代要助と恋仲のおくみに懸想し、いろいろあっておくみの父と要助を追ってきた婚約者の野分姫を殺します。しかしまあ悪人はやられるもので、吉田屋の忠臣甚三郎に成敗されます。法界坊にそそのかされ要助を怨んで死んだ野分姫の霊と、法界坊の霊が合体し、逃げるおくみと要助の元へ現れる。 あらすじをまとめてみると、なんかシリアスな悪人モノのようですがね、こと二幕目まではもーこんな喜劇でいいんですかっていうぐらいコミカルなものでした。すっげーな中村座。 歌舞伎の黒子や場面転換を逆手に取ったような仕掛けもあります。福助と扇雀がぺたんぺたんと床をひっくり返すと「宮本座敷の場」と書かれているのは実にうまいと思う。頭いいなー けだもの番頭正八の亀蔵ちゃん(ちゃん付け…)が超きもくて爆笑しました。なんだあの人、面白すぎる。。。気味の悪い野郎だこんちくしょ(by法界坊) 淡路屋(笹野高史)が「この始末~」からのせりふを忘れた(?)らへん、扇雀も笑っちゃってるし橋之助もヒクヒクしてるし、もーナマの舞台は楽しそうでとてもいい。 男役の福助、笹野高史に侮辱されて笑い出すところがものごく艶かしくて怖かった。 勘九郎の法界坊は解説曰く「悪事のデパート」wなのに、なんかマヌケで可愛くて(?)小汚くって最高です。絶対友達になりたくないわー 役者がなんとも粒ぞろい。楽しすぎる。 第三幕はコミカルな二幕目までと違って、長唄と義太夫でかけあう、見た目も実に歌舞伎っぽい舞台でした。 野分姫と法界坊という全く性質の違う二者が合わさった霊を演じる勘九郎、「野分姫」が喋るときに芝のぶちゃん(生前の野分姫)の声がするのでいつ替わったんだ!?とびっくりした。後見で喋ってたのか…!うまいなあ… しっとり悲しげな野分姫と、「グハハハおくみ~」な感じの法界坊、切り替えしが実に見もの。野分姫に見えるし、女の格好なのにあの法界坊にも見える。 見終わった後、「あ~楽しかったわ!」って帰れる、実にハレの舞台ですね。大当たり! 個人的にいちばんツボだったのが、夏祭浪花鑑のパロディのくだり。 この「法界坊」はそういうちょっとひねった笑いが随所に仕掛けられてて、しばしばあったまいいなーと思いました。
by lowoolong
| 2005-04-15 01:04
| 歌舞伎
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