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電車内異教談合

でんしゃないいきょうのかたらい

…びっくり
隣に座っていたメリケンの方(キリスト教らしい)と、途中から乗ってきたイケメンの超すてきなお坊さんとの間でいきなり宗教談話が始まってしまった…
「日本は宗教的だと思いますか?」「思いませんね…」とか
「そういうレリジャスな気持ちを持つことが、間違った方向にいってしまうとか…」「そういうふうに宗教がとらえられているのはインディビデュアルな価値観が…」とか
電車で初対面の人同士がこんな深い会話をしてるとこなんて初めて見たよ
最後に名刺交換までしてらっした。すごいなーなんか感動的(?)
でも頭の上でそういう会話が飛び交っているのはなぜか気まずくございました


+++
ミュージックステーションと映画「真夜中の弥次さん喜多さん」はいったい何を考えているのでしょう。ま、まさか歌舞伎役者がMステで唄って踊って♪なところを見られるとは思いもよりませんでした…ひいい
渋谷パルコPART3でやっている「真夜中の弥次さん喜多さん・大展覧会」に行ってきましたが、あの映画がとても気に入っちゃった人なら行って損はないと思います。なによりしりあがり寿の障子絵が大好きです。私の部屋にもかいてほしい(ますますカオスになるな)
でもこれもまた何故か、はいるのが異様に気まずいというか恥ずかしいというか途惑いました。輪投げだと!? やったけどさ…

もう、「襲名十八代~これは勘三郎からの恋文である~」なんてのに照れているどころじゃねーなと思う今日このごろです。
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by lowoolong | 2005-04-30 16:17 | みものききもの

上海バンスキング‘91 (ビデオ)

学校のAV資料室というのはありがたいものです。
本当は道成寺の資料を探しに行ったのですが「勘九郎の道成寺」はなかったので(玉三郎のは前に観たしなー)さてどうしよう、と適当に検索をかけていたら見つけました
コクーン歌舞伎・中村座NY公演の演出家、串田和美の有名な作品、らしい。

日中・第二次世界大戦の戦前~戦後に、上海でジャズやるべ♪だったスウィングな男たちとその女たちのお話…かな
「命かけて~あなたこそ~わたしの恋人~いつまでも~♪」ってね

ぐーぐるしたら深作欣司監督の映画が出てきてはてなという具合で、わたしは詳しいことを全く知らないのですがこの作品、レベル高ー!!
何であの役者さんら、ジャズバンドもシャンソンも中国語も仏語もできるのかしらん
役者というのは何でも出来なきゃなれないものなのでしょうか。おおお…すごい
ジャズにも演劇にも全く詳しくないからよくは知りませんが
開幕とともに客席通路でジャズが響き、そしてそれは吹き替えでなく生演奏の模様。舞台ではチャイナ服に身を包んだ綺麗なお姐さんたちが「ウェルカム上海~♪」とこれまた普通にレベルの高いコーラス?をしているという。モダーン、エキゾティックー

・吉田日出子、歌が本業なのかと思ったらやっぱり俳優のようだし、でもあの歌のうまさはどうしたことだ。そしてあの少女性は…ビスクドールのような色気ですねえ(市原悦子に声が似てた)
・波多野(主役の一人)、あれー羽場さんかな大和田獏かなと思ってたらなんと串田和美さんでした。か、カッコいいじゃんかよう…
・いい奴で小心者で成金な役の笹野高史はいいねえ…にしても、いつみてもお爺さん一歩手前に見える老け具合はどうしたことだろう。そんなに年食ってないはずなのに
・エキセントリックな文学青年風な兄さん、どっかで聞いたことのある声だ、誰だ誰だと思ってみれば小日向文雄だった。わ、わか!痩せてる!背が高い!

なんか全員すごいすごい言うのは、結局誰も褒めてないのと同じですが
リリー(中国妻)もラリー(アメリカ系上海マフィア)も皆すばらしく素敵だった。吉田日出子のシャンソンを始め、出ている役者ほとんどがバンドを構成していて、それが素人耳にも格好よかった。
あと、アヘンでぶっとんだ波多野の妄想シーンがいかにも妄想でイカレてて好き。(最近こんなのばっかり見ている気がするなぁ)

とにかく、上質でした。相当凝っていたんだろうなあ…
串田和美、すげー!
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by lowoolong | 2005-04-29 00:10 | 演劇

後遺症

白拍子花子の健気さ――演目的にこの表現はあっているのか?――が頭を離れない…胸が詰まる。これって恋でしょうか(いろいろ倒錯していますね)
「よかったんだよぅ」と人に言うたびにむけられる、「まぁこの子ったらしょうがないわね」みたいな憐憫を含んだ眼差しが痛い今日このごろ。痛いな

そういえば本屋で新たな「中村屋」な本を二冊見つけました。

「襲名十八代」 中村勘三郎
あれっすね、スポニチの「勘九郎かわら板」をまとめたものらしいです
野田秀樹(大奥さま…v)の襲名おめでとう寄稿がなんか面白かった。「あのひとの話はよくわかんないでしょう、勉強してないからね」って、野田秀樹じゃなきゃ言えんなー

しかしサブタイの「これは勘三郎からの恋文である」ってのはなんだ。なんだその羞恥プレイは。買えるかバカー!!
(いろいろ自意識過剰ですね)


もう一冊は
中村屋のボース―インド独立運動と近代日本のアジア主義
中島 岳志 / 白水社




はいはい
「中村屋」ってだけで「なぬぅ」と手に取った私がわるうございましたよ
新宿の中村屋(カレー)なら帯にでもそう書けとry




+++

弥次喜多 in DEEP 廉価版 (1)
しりあがり 寿 / エンターブレイン
ISBN : 4757722168



廉価版の三、四巻は京極夏彦氏の弁当箱本並に分厚くって廉価ですっげえなと思います
内容はもっと凄かった…
すごいグロテスクでとても凹みましたが、このグロさは生理的、つまり『生きているからこそのグロさ』だと思う。
生きていることは物凄くグロテスクで曖昧で恐ろしくてどうしようもなくて寂しい。

この漫画に関してはよいも悪いもなく、すごいとしか言いようがない。
もっと昔に読んでいたらトラウマ必至だったと思う

さらにDEEPに
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by lowoolong | 2005-04-26 21:55 | 日暮

四月大歌舞伎(昼)

四月二十五日(千秋楽)
中村勘九郎改め十八代目中村勘三郎襲名披露 昼の部

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歌舞伎を見てこんなに感動するとは思いませんでした。
この時に間に合うように歌舞伎に出会って心底良かった。

■京鹿子娘道成寺■
勘九郎時代から二十七年ぶりという、“押戻”つきの道成寺。
感動した。以上。

…だって泣いてしまったものにこれ以上くだくだしくものをいうのも何だかなー…
まさか道成寺で泣くとは…(しかも三階席で) なんで涙が出てきたのかもわからんのですが、
たった一人で舞台を満たしてしまうような白拍子の踊りからして目が離せず、
ラストもラスト、押戻しのところで團十郎と居並び大見得をきった清姫の怨霊の姿で、胸がいっぱいになってしまいました。思い出しても胸が痛い。

勘三郎の白拍子花子は、ちゃきちゃきと切れがよくって、びっくりするほど可愛らしくてきれいで、同時にとても切なかった。お姉さん、というよりもっと若ーい娘でありながら、怨みと哀しみの清姫が宿る「おんな」だった。
かなめかなめでじっと鐘を見上げる目つき、
男の袖を取っては振り払われる町娘の姿(つれない男の姿が見えるよう)、
あああ~可哀相…なんかよくわかんないけどかわいそう……!
もういいじゃん、鐘ひとつくらいくれておやりよッ
(なんだこの感想)

なんで勘三郎はあんなに「娘」であり「おんな」なんだろう。本当に辰次のひと?
歌舞伎の底力を見た気がする…

その他雑感↓
・傳左衛門の「イヨォ―――ッ」が死ぬほどかっこいい。痺れる。三味線笛小鼓大鼓長唄、どれもこれも最高でした。
・「まいづくし」で「ブランド米♪」とか「無洗米♪」とか云ってるうちに〆で「せまい」と「広い」を間違えた坊さん(誰だっけ)が、左團次に「千秋楽だっつーのに」みたいなことをいわれてて面白かったです。でもそのあと、面目躍如とばかりバク転を綺麗に決めて喝采を浴びていました。
・若い娘さんに「あんたは白拍子ですかそれとも生娘ですか」とか聞くな
・引き抜き格好よすぎ、衣装も華やかなにとっても似合う(紺地に桜で麻葉模様のものはことにステキでした)。
・押し戻しがほんっとにいい。鐘入りで終わりのものを今後見たら、なんだか寂しく思いそう

素晴らしかったです。最高だった。中村勘三郎は真面目にステキだ。
千社札まで買ってしまいました。(←妙にセコい)


■源太勘当■
弟役の海老蔵のアホ可愛い憎たらしさを見るにつけ、こういうところがいいんだなーと和やかな気分になりました。(いいのか?)「あんじゃひとが、いけないよぉ~」ってお前。
黒い中間服の勘太郎はシュッとしてて格好よろしかったですが、やっぱ源太・七之助、勘太郎・千鳥がみたかったなぁ。かんたろさんの女形はなんかとっても可愛くていい(勘三郎の女形の可愛らしさと共通するものがある…“ザ・美形”じゃないあたりかな)
それにしてもまたあっさりと人を殺してるなあ。軍内…(合掌)


■与話情浮名横櫛■
はて
わたくしこの芝居、歌舞伎解説本の作品紹介よんでもどこが面白いのかさっぱりわからんかったのですが
実際に見て思ったのは、左團次の蝙蝠安がステキ★というのと仁左衛門と玉三郎はお似合いだねえ、というのとあら勘三郎が今度は鳶頭になっとるわ!というのでした

べつに役者を見るならそれでいいと思うけど、芝居としては妙に長いしオチも「ええッそれで終わり!?」みたいな。
長い話をはしょってるっていうのは知ってますけどね、与三郎がギタギタにのされるところとかをカットしちゃって見せられても「しがねえ恋の情けが仇」なんて台詞はあまり生きてこないと思いますがどないなもんでしょうね


**

兎にも角にも道成寺が素晴らしかったのです。急いで駆けつけた授業(遅刻)もなんだか夢うつつでした…万感ですよ
歌舞伎見て(しかも舞踊で)涙が出てくるとは思いませんでした。はあ。
今日千秋楽か…もっと前に幕見でもみにいっときゃよかったわ。

…とのんきに帰ってきたら
私も旅行したときに使ったことのある福知山線が大変なことになっててゾッとしました。電車って、もっと安全な乗り物だと思ってた… 
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by lowoolong | 2005-04-26 01:22

勘九郎箱

おおー勘九郎箱のことがニュースになっておる↓
Excite エキサイト : 芸能ニュース

公演チケットは当日券を除くと入手不可能に近いが、そういうファンに人気なのが勘九郎時代の名演を集めたDVDボックス「勘九郎箱」

そういうファンに人気なのか…
勘九郎箱は、演目それぞれはもちろんですが特典も相当にイイですよ(アーカイブとかブックレットとか凄い。なんかちょっと感動した)
福助との「一本刀土俵入」も良かった…三津五郎ステキ

しかし三ヶ月間の延べ観客数は二十八万人ってすげー 愛知万博もびっくりですね
今年の暮れに勘三郎箱も出るとやら、むむむ襲名ビジネスめ


さっきまで一条大蔵がやってましたが(まろ)やっぱり可愛くてかっこよくていいなァ(まろ)
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by lowoolong | 2005-04-25 00:39 | ニュースとか

夢の話 

アンパンマンとピノコがプールで嫌なムードで泳いでいる夢を見てげっそりしました。
そういえば二人とも泳げないんじゃなかったか?

そんないやな夢を見ましたが、桜姫のチケットは無事げっとー
前から三列目ですわーい
チケットweb松竹様は凄いですね。同じbunkamuraの走れメルスのときなんか、電話予約だけなのでちいっともつながらなくてつながってみれば完売で、フラストレーションたまりまくりだったのに…
六月の桜はいかばかりか。楽しみです。


+++
smaステーションの「歌舞伎特集」は普通に面白いですね。今日は三回目だったけど続きあんのかなー
芝翫丈のコメントや稽古風景などがあって得した気分。
はっきりもうしあげて、きちんとしてるけど「わかんねぇー」とかぽやぽやしている七之助が面白かった…コクーン三人吉三の映像も流れてましたね(おとせちゃん…!!)あの直後の、ふらふらしてあらわれる十三郎はとっても色っぽくて凄かったなあ。
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by lowoolong | 2005-04-23 23:01 | 日暮

歌舞伎座の建て替え検討 地元関係者から意見聴取

Excite エキサイト : 社会ニュース

まじで!?
…うーん、歌舞伎にはまって半年(光陰矢の如し…)な私が言うのもアレですが
どーなるんでしょう。ただの補完工事ってだけなんだろうか?
まああの建物、直下型地震がきたらぼっきり三階席が折れそうな気もするし、いまどき徹底したアンチバリアフリーだし、したほうがそりゃいいんだろうけど。

もし改築なんかすることになって、
三階席から花道が見えるようになったら値段が上がるんでしょうねえ
それで値段がかわらなかったら三階席は一番先に売れてしまうだろうなあ
(席数は必然的に減るだろうし)
3B席、学生料金で2100円(通常)だから見やすかったのになあ、と
嘆く日が来ないことを祈ります。

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by lowoolong | 2005-04-23 00:08 | ニュースとか

着ボイス

真夜中の弥次さん喜多さんのサイトでは、なんかゲームとかで勝つと携帯の着音や待ち受けがもらえるのね。(こういうくだらないことに力を注ぐ姿勢が大好き)

歌舞伎モバイルにも勘九郎関係の着音はなかったというのに、あんな格好のあんな台詞が待ち受けやら着ボイスになってていいのかな…とおもいつつ、トロロシューティングゲームを攻略してDLしてしまいました。ま、負け組み☆ミ

わたしの目覚ましは以前も書きましたが「なかむらや!なかむらや!なかむらや!なかむry」というエキサイティング大向こうだったので、今回落としたアーサー王の着ボイスをひとつ試しにいれてみましたが、もうバカすぎて眠ってられません。大丈夫なのか?いいのか?

どうせだったら「夜でもッアーサー!!!……えー、おはようございます」ってとこまで入れてくれると私、さらに脱力した朝を迎えられたようにおもいます。頭ぱっかーん(by板尾)


+++
四月チケットはもう二月の終わりにとったのでして、昼の部をいつ見に行くのだっけと確認したら25日の千秋楽だったのですげーびっくりしました。たたた楽しみー
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by lowoolong | 2005-04-21 11:18 | 日暮

四月大歌舞伎(夜)

四月十九日
中村勘九郎改め十八代目中村勘三郎襲名披露 夜の部
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お日柄もよくお帰りなせい七之助。ようやく中村屋三人がそろった四月夜の部、やっと観に行くことができました。それにしてもまあねえ、なんざんしょうねえ、凄いタイミングでしたわねえ…
…っていうのを忘れてました。面白かったー!!凄かったー!
今日は見事な和服のおばさま方にお姉さま方もたくさんいて、全体的に華やかだった。
暖かいためもあるんでしょうか。春はいいっすねー


■毛抜■

小野家のひとびとが大事な短冊を探しているところにやってきた粂寺弾正が、綺麗なおにいちゃんやおねえちゃんにセクハラをしつつ、お姫様の髪がどろどろ逆立ったり毛抜きが踊ったりする怪現象を究明する(短冊も見つける)というお話です。わー大雑把。
大病以来、今月で歌舞伎座復帰という團十郎さんです。わー、なりたや~!
團十郎さんはなんか、どっしりした温厚な存在感があっていいなあ。勘太郎に「柔らかい手じゃなあ~♪」と手をにぎにぎしたりするところも可愛らしいいやらしさですね!馬に乗るのは手綱捌きが大事じゃーとかって、教習場のエロ教官かとry
飄々とスケベなくせに、地獄に行って妹を同道してこいとかトンチの効いたことをいうのもいいですね。冴えてる(のか?)。
市川團蔵さんは二月も意地悪でカッコよかったですが、今回も意地悪で嫌味でかっこよかったです。眉のところの青い富士形がステキ。
しかしまあ、こうボサクサ人を殺しておいて「あっぱれ☆」ってな具合で終わっていいのか(笑)オチが磁石と言うのもくだらなくって荒唐無稽でよろしいですね。
舞台一面が金屏風だわ、海老蔵は出るわ時蔵さんだわ勘太郎だわ團十郎だわで、とても華やかでようございました。


■口上■
夜の部は三演目です。口上入れて三つか。書いてみると少ないものだ。
とざいとーざいで幕が開けると、前月とは違って波に松の襖絵。金子国義氏の筆によるものだそうで(by勘太郎)
江戸三座であった頃の中村座では、きのえねの年など代々の團十郎が口上をしてたとやら、今月はその成田屋團十郎さんの口上もあってひときわめでとうございますねえ。よかったねえ、という気分になります。
左團次……ホモと嫌なジジイの次は、「後ろから音を出してしまいまして、『ノリちゃんゴメンネ!』といったら後で勘九郎さんに叱られました」とやら…
三月もこれは言ってたみたいですけども、いやーなんつうか、凄いね左団次!
七之助はよりにもよって口上から復帰なわけで、あの場にいるっていうのは物凄いプレッシャーだろうなと思います。今月は前月よりももっと「勘太郎、七之助ふたりのご子息ともども」という言葉が耳に残りました。うう、この喜多八め…(泣)
勘太郎さんは「弟と一緒に精進します」とか「金子先生が~父にかわってお礼を」とかこまごまとがんばっていました。かんたろさんは夜の部出ずっぱりですねぇ。すごいなあ。
十八代目勘三郎、という像がよりスムーズにそれまでの勘九郎と結びつき始めてきた感じがした。襲名というのは、脱皮ではなく進化なんだろうなと思う。


■篭釣瓶花街酔醒■
きゃー!じろざえもーん!
…って別に次郎左衛門なんていい男でもなんでもない(わけでもないけど)ですが
籠釣瓶は前から観たいなあと思ってた芝居なので、勘三郎の次郎左衛門で今月見れて幸せです。しかも、、、すごく良かったー…!
「篭釣瓶花街酔醒」という題もまた、的確で深くて見事なもんですね。

客電が落ち真暗な中、パッと舞台が明るくなるとそこはまさに「花の吉原」。わあー!とジワが起きました。あーもう、シンプルで実に実に見事な演出です。大好き!
ちょこちょこやってくる田舎者の佐野次郎左衛門とその下男、治六。その前をすぎる七越、九重、そして八ツ橋という花魁道中。「帰るのが嫌になったー」という次郎左衛門の言葉もなるほど、玉三郎の八橋が中央の桜の後ろから出てくると舞台が一層明るくなった気がする。すっげーなしかし

「おいらん、そりゃあんまりそでなかろうぜ」
そうこうして誠実で綺麗な遊びかたをする次郎左衛門と八ツ橋は、あともう八ツ橋の身請けの日を待つだけみたいな仲になるんですがこれがまた…ねえ
 八ツ橋という人は複雑です。たとえば「御所五郎蔵」の皐月のように、本当に好きな人に強いて嘘の愛想尽かしをしているわけじゃないからなあ。八橋は栄之丞が好き、だからといって次郎左衛門が嫌いだというわけでもない。次郎左衛門へのそれは、あくまでお客さんという範疇を越えるか越えないか程度の「好き」だろうけど。
 だからある意味彼女の愛想つかしは、真実でもあるのではないかと思った。最初はおどおど口にしてみたけど、そのうち茶屋女なんかから攻め立てられて、またその当人の次郎左衛門は気遣いして自分を責めちゃあ来ないとくる(こういう時は怒ってもらった方がまだマシな気がしますよ)、でイライラして「さっきの男はあたしの情夫よ」っつって「もう他人なんだから他の座敷へ行きます」とその場を出てしまって、でも九重さんに「堪忍してください」と悲しい気分も見せる。難しい役だなー…!
玉三郎は引っ込んでいくところなんか凄く“悲壮を湛えた八ツ橋”という感じがしたけど(えいのじょうめー玉三郎を泣かすなー!とか思ってしまう)、福助なんかが八ツ橋をやるとどうなんでしょう。みてみたいなあと思います。

一方の次郎左衛門。こっちはもう単純に恋心を騙された(と信じ込む)男であるだけかと言えばそれだけでもなく、大勢の前でとんでもない恥をかかされた男という面もある。どっちが重いかわからないけど、後者に本格的にスイッチが入ったのは治六(段四郎さんスゲー良かった)が「てめーこのおいらんッ」と食ってかかったあたりじゃないかと思います。家来に恥ずかしいところを見られ、なおかつその家来に怒ってもらうなんていちばん面目が立たないと思う。場はしらけちゃうしさー

八ツ橋を次郎左衛門が殺した気持ちは、「よくも大勢の前で恥をかかせたな」という台詞。これを勘三郎が、ほんとーに憎々しく、地の底から囁くように言うのが凄かった。その前の、梯子段を見て来てくれと八ツ橋を遠ざけた瞬間にババッと足袋?を取る(滑るから?)速さからして、殺す決意は決まっていたようにみえる。
 八ツ橋を殺したのは、次郎左衛門の「男の意地」だったのだろう。でも、蝋燭の灯に八ツ橋を斬った刀をかざして彼が見たのは、刀ではなく、刀に映る自分の醜いあばた面だったのだと思う。八ツ橋の情夫のイイ男っぷりを知る次郎左衛門には、その差が悲しくて悔しくてならなかったんじゃないだろうか。
「籠釣瓶は、、よく切れるなあ」 の狂相は、念願の相手を殺したなどという喜びなどもちろん微塵もなかった。悲しい悲しい憎らしい、で次郎左衛門の心がめぐってまた「恋に破れた男の悲しさ」になったんだと感じた。んんん。勘三郎は凄い役者だ。


ええと。
かんたろさんの七越は、次郎左衛門が恥をかかされているとききゅぅっと悲しそうに眉をひそめててそれがとても良かったです。魁春さんの九重は、「おや本当は次郎左衛門が好きだったのかしら九重たん」と思いました。優しいなあ(泣)
初菊ちゃんの七之助が超可愛かったのでおもわず舞台写真を買ってしまいました。ほんと可愛い…みものですよ。ずっと後ろを向いていたのですが、ようやくこちらにくるりと向きなおるとき、おおっと思うくらい大きな拍手が沸きました。みんな待ってたんだねえ。あまりかわいいのでもっとしゃべれや!と思った。

で、小山三は今月もまた死んじゃう役なのね…
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by lowoolong | 2005-04-20 03:43 | 歌舞伎

小野梓記念講堂こけら落とし講演

早稲田大学というとこにはもともと小野梓記念講堂というものがあった(らしい)んですが、このたびまたあたらしく、大隈講堂の脇(?)に小野梓記念講堂ができました。地下階の、小劇場風の講堂です。早大の先生の話では、今後法学部はここを模擬裁判場として使うとやら…(ベニスの商人が地でできるな)
まあ私などは関係もないわけですが。

ってなわけで、こけら落とし公演のひとつとして行われた「講談・落語の技法と楽しみ」っちゅーのを見て参りました。タダだし。
しかしいろいろおもしろいことをやる大学じゃわい

落語は桂籐兵衛の「紺屋高尾」、講談は一龍斎貞水(人間国宝)の「鼠小僧~汐留の蜆売り」
私はナマで落語や講談をきいたのは初めてですが、いやすごいですね舌芸というのは。噺家がちょいと向きを変えりゃ何人も登場人物が見えてくる。背景がなくても染物屋やら遊郭やら雪のちらつく汐留やらにみえてくるってんだからたいしたもんだ。

「紺屋高尾」、いい話だった…「笑いというのは畢竟他人の犠牲の上に成り立っている」などと言われますが、最近のお笑いブームのそれっていうのは毒ばっかかもな、と思った。ほっとする、可愛くっていい~話でした。
桂藤兵衛さんは八代林家正蔵の弟子、ってえことはこぶ平のおじいさんの弟子だってことでいいんだろうか。落語界もいろいろ襲名だなんだと盛況ですねえ(十四万人だってさ、ちょっと悔しい)

「鼠小僧~汐留の蜆売り」
「盗みはすれど仁義を守り、富めるを貪り貧しきを、救うは天下の~稲葉幸蔵~」
ってのは野田版鼠小僧の「稲葉幸蔵」の台詞ですが、その鼠小僧もののひとつらしい。
鼠小僧の親分がカッコイイ…渋い…蜆売りの子供も船頭のひょろ竹も同じ人がやっているのにふしぎなものです。凄いなー
しかし「続き物」という形はなかなかもどかしいところで終わってしまうものだ。それからどうしたんだよ鼠小僧はさー

昨今は大学落研のひとがすぐ落語家・噺家になっちゃうので困ったもんだという話もありました。そういうもんなのか。
こーいうのはスズモト演芸場とかに行けば聞けるもんなんでしょうかね。ちょっと興味がわいてきました。

*俺の 俺の 俺の話を聞け~
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by lowoolong | 2005-04-16 19:15 | みものききもの