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夜回り先生 水谷修

夜回り先生
水谷 修 / サンクチュアリ出版
ISBN : 4921132542



最近ものすごい勢いで今後の身の振り方について考えねばならず、いつまでたってもうだうだ悩んでるあまったれな自分に相当な嫌気が差していたところでこんな本を読んでしまったものだからたまりません。
先日教育テレビで「夜回り先生」のドキュメントの再放送?かなんかをやってて、そこで名前だけは知っていた“夜回り先生”こと水谷氏の顔を初めて知りました。
もうね、なんか凄く話がうまいの。うまいっていうのは技術とかそういうことではなく、聞き入らずには居られない、真摯な熱さでものを語るのですよ。
もう何年も前から、水谷氏は夜間高校教師をつとめるかたわら、夜の街のこどもを注意したり、諭したり、話を聞いてやったりしているそうで。暴走族をぬけられない若者、麻薬漬けの若者、身体を売る若者……まあ詳しいことは私などがアレコレいうより、本を読んだりもっと詳しいサイトを見た方が良いとおもうので省きますが。。
水谷氏の姿勢は、圧倒的に凄い。これを正しいだの間違っているだのいうのはそりゃあたやすいことですが、そんなこと言ってる間もなく彼は凄いと思います。歩く背後から囁かれるそうした評価にかまう暇すらなく、彼は現在に立ち向かっているからです。
水谷氏には「社会」「大人」という明確な敵があり、その範疇内の自身をふくめて彼はそれを厳しく糾弾します。社会やら大人やらというのは非常に抽象的な概念であり、ある意味私はそれを“仮想敵”だとも思いますが、それがこどもにとっての害悪であるというのは事実のひとつであるのは違いない。そしてそういう敵があるからこそ、彼は果敢に歩き回り、多くの若者にとって救い主たる「夜回り先生」であるのでしょう。

やっぱりね、なんだかんだいったって凄い人は善悪関係なしに偉いのだよ。そして、本当の意味で優しいということは、何よりも強いのだよ。
ものごとを起こす気概がある、というだけで私のような軟弱者はすげぇなあと思ってしまいます。
しかしまあ本屋で立ち読みしながらぼろぼろ泣けて困ったなんて、久々に私も神経が疲れているのでしょうね。参ったなァ。

+++四月は
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by lowoolong | 2005-02-28 21:58 | みものききもの

幻に心もそぞろ狂おしのわれら将門

26日(昼) Bunkamuraシアターコクーン
演出:蜷川幸雄
出演:堤 真一 木村佳乃 段田安則 中嶋朋子 高橋 洋
    田山涼成 沢 竜二 松下砂稚子 他

幕末グラフィティのせいでほとんど寝ずに行ってきました、三度目のBunkamura。
どこもかしこもコンプレックスと愛と憎しみで満載の、深刻にシリアスなお芝居でした。琴線に触れる痛さです。

藤原勢に追われもうかなりやばい新王軍の頭目・平将門は頭を怪我してこともあろうに「自分は将門を追う者である」と思い込む。混乱する影武者たちと、事態を必死に収めようとする参謀・三郎、影武者の中から新しい将門を作ろうとする将門の愛人・桔梗、一行はさらに絶望的な迷走をし続ける。

うう…暗い話だな…
将門(堤真一)は陽気に狂ってて「将門ー、まさかどはどこだー?」というノリ。こんなのさっさと見捨ててどこへなりと散り散りバラバラになるほうがよっぽど建設的なのに、彼の周りの人たちはそれが出来ない。信仰としての将門、伝説としての将門、愛憎の対象としての将門。本物の将門が狂っているうちに、彼らの中で「将門」という存在がどんどん重く、なのに空虚になっていってるような印象を受けた。

誰がどんな言葉をしゃべっても必ず誰か(将門以外)をグサグサに傷つけてしまうという雰囲気にしてやられました。誰か、というのはそれをしゃべる本人もで、さらに痛々しいのはほとんどみんな(将門除く)がその発した言葉の効果をわかっていながら、諦めのように叫ぶからでしょうかね。聞くほうも、聞いて傷つくことに麻痺しているようで、ああ痛々しい!!

そしてその言葉とは逆の感情が考えるまでもなく伝わってくる感じがする。棘だらけ。
かつては血盟の仲間同士だったのに、その「仲間」という枠だけは変わってなくとも意味合いが「敵」にも近しいものになっているという殺伐なグダグダ感がすごい。

狂いの将門が「将門」として追っていたのは、自分の影というのはもちろんだけど、三郎の影というのもあったんだろうと思う。三郎が将門を無二の友人として愛しながらも、身分というコンプレックスで卑屈に退いていたように、正気の将門も利発な三郎に対してかなりのコンプレックスを抱いていたのでしょう。
「将門のことは俺が一番よく知ってるんだ、恋人よりも、本人よりもだ~!」
もうおまえはそういうことを言うなよみんなの前で…(泣)

あれですね、愛憎は表と裏とか言いますが、悔しいとか憎たらしいとか好きだとか殺してやりたいとか生きてて欲しいとか、そういう衝動というのはもう区別なんか本当はつけられるものじゃないのじゃないかと思います。三郎や桔梗たちはどこかで、そういう区別をつけることもやめてしまっているように思います。将門に対してや他の人に対しても。
まあ、なんだかんだとゴチャゴチャ言ってますが、感動的に絶望的だったわけで。
ラスト、ただひとり「将門」を追う将門が、将門伝説の語り部として去っていくのが鮮烈に皮肉っぽい。

役者陣の演技が、凹凸なくひとつの世界観をつくっていて良かった。段田安則すてき。
あと、舞台美術がものすごかったです。かなり高い階段状の舞台に、いきなりバラバラバラと落ちてくる小石、また積もっていく雪。前の席に座っている人は結構大変なんじゃないかと思いました(羨ましい)
最後のほうで、天井から何が釣り下がってるんだろうと思ったら、逆さ吊りの観音でした。ふ、ふきつな…!
要所要所の拡声器を使用した音や、ヘリコプターの羽の音は、もう逃げられないと言う閉塞感をより高めている気がします。拡声器で連想するのは「君たちはもう包囲されているー」って言う文句などですが、圧倒的に“多勢に無勢”感が強い。ヘリコプターは“すべてを見られている”といったような。あっちは余裕。こちらは袋の鼠。またしても絶望。うーむ、やりきれませんね。
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by lowoolong | 2005-02-27 01:01 | 演劇

幕末青春グラフィティ 福沢諭吉

TBSで勘三郎襲名特番やってました。
なんだろなと思ってわくわくしてたらほとんど20年前のドラマの話で、なんやねん録画してあるから寝たるわいーと思ってたらこれがさーという…
第一部(インタビュー)でキャスターと喋ってる勘九郎、元気そうで顔色いいのはいいですが右目が変。疲労で目の血管が切れたんだよと親が言うので無駄に心配になってきます。コワー

第二部がお題の「幕末青春グラフィティ 福沢諭吉」
制作:1985年 ティンダー・ボックス、電通、TBS
演出:河合義隆
脚本:矢島正雄、河合義隆

出演:中村勘九郎、荻野目慶子、永島敏行、原田大二郎、石坂浩二、阿藤海、原田美枝子、榎木孝明、川谷拓三、陣内孝則、石立鉄男、島田紳助、矢崎滋、武田鉄矢、中村助五郎、とんねるず他

キャストすげぇ!

子供のときに多分一番最初に読んだ伝記が婆さんがバザーで買い叩いてきた「福沢諭吉」で、
 ・諭吉は吉良という金持ちの武士の息子にしょっちゅう苛められていました。
 ・神棚のお札を便所紙にして祟られなかったから神様はいないのだと知りました。
 ・腸チフスにかかっても勉強しました。
 ・オランダ語を誰も使っていないので、「これからは英語の時代だ」と悟りました。
 ・天は人の上に人を創らず、人の下に人を創らず
 ・ドンドン大砲がおもてで鳴っていても、おびえずに授業を続けました。
という話があったことをよく覚えています。
つか、福沢諭吉のインパクトが以後すべてこの記憶に基づいている(特に便所紙とか)ので、かんくろーが福沢諭吉でしかも幕末!で青春!でグラフィティ!なんてあーたそんな甘酸っぱいタイトル一体どうなっちゃってんのとおもってたけどなあ。
いやまったくねえ、勢いがあって慮外に面白かったです。20年前かぁ。ドラマを作る風潮がまたよかったんだろうねえ、景気もいいしさ。むかしのドラマとかで連想する、なんかぼやけて褪せた映像でないのも良い。意外にクリア!
時代劇というジャンルはまた、風化というものに一番強いジャンルだなと始めて知った思いがします。
でも、一万円札さまの福沢諭吉を思い浮かべてはダメかも(笑)福沢諭吉!というよりも、「ぼろぼろのひっどい蘭学塾(でも優秀)・適塾の若者ゆきちが、恋や挫折や、友人との別れを積み重ね“自由”というキーワードをつかむまでの青春グラフィティ」って感じ。
…ちっとも面白くなさそうだなぁ。青春グラフィティって響きは中々侮れない破壊力ですね、青春いたずら書きっていう意味じゃんかよ。

勘九郎は、20年前でもやっぱり勘九郎でした。すげー!うまいって言っていいのか(素のような気までする)わかんないけどやっぱすげー。芸達者だ。手足の短いところがカワイイと思えるようになってはもういろいろとだめですね。あーあ。
冒頭、阿藤海と一緒に出てきますが、それが…「いいよもう、勘九郎の太ももや尻は別に見たくないよ」というか。諭吉だけでなく、適塾のひとがほとんどみんな、丈の短い着物一枚に褌姿でほんと汚ないのですよ。袴や着物なんかマジ買えねえよ!みたいな。幕末好きな人には結構人気のあるらしい大鳥敬介があんなバカそーで小汚くていいのかなと余計な心配までしてしまいます。洪庵先生の川谷拓三がかなりいい。

個人的にすごいツボだったのが、春画家の歌丸(石立鉄男)の、「もっと悶えろ~!」という台詞でした。クレイジーだなTBS。モデルのお女郎のおねえちゃんも胸むき出しだし(絶妙に見えない)
それでもそんなにエロくなんないのは不思議なところです。泥臭さがギラギラしていないのがイイのかもしれませんね。
しかし結構アレだ、ハードだ。後輩はムカつく偉い医者を斬っちゃうし、親友は恋仲の遊女に死なれて自分探しに行っちゃうし、後に再会するけどあーー!って感じで死んじゃうし(ここの、長島敏行と勘九郎は素晴らしいと思います)
「みんなサムライになればええんや、サムライが米つくって、サムライが魚とって、サムライが着物つくればいいんだ!」
よいせりふ。なかなか考えてでてくる台詞じゃないなと思います。
それにしてもフリーを「自らを由とする」と訳した福沢諭吉ってすごい。
しかし、勘九郎はどうあっても「一万円札の福沢諭吉」には見えないのだよなあ。熱くて一生懸命でカワイイ青年というか。まあいいか。そういう諭吉なんだよ。

「働く女性について」や「逃げないということ」や、「前向きであること」、そしてもちろん「平等である」ということ、結構いろんなテーマをぶつけてくるドラマですがほとんど押し付けがましい感じがしない。なんかほのぼのしてます。突っ込みどころは多くござんしょうが(詳しくなくてよかったー)、まず、面白いドラマではありました。
サイモン&ガーファンクルばかりBGMにかけまくるのはどうかと思います。おすず(荻野目慶子)との別れにサウンドオブサイレンスはいいかも知れんけどなァ、どうかと思うなァ。
あと、竜馬とであって別れて終わりってのはまあいいんだけど竜馬が坂本金八でちょっとションボリしました。お前かよ!!というか最後の最後で!というか両方というか…

こういう勢い重視で、なおかついい感じに成立しているドラマは好きです。もっとこういうのないかなぁ。それにしても20年前とは信じられん。
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by lowoolong | 2005-02-26 07:03 | みものききもの

地獄甲子園 DVD

地獄甲子園
/ ハピネット・ピクチャーズ




くだらねえーーっ!!
凄いくだらない映画を観てしまいましたよ
つーか私もなぜ今更こんなものを借りてしまったのか(ほんとだよ)
漫☆画太郎のバカー

原作の漫画も相当あほでしたがこれを映画にしようとしている時点でもうあほだ。というか見ている私もあほか。もういいや!

伊藤淳史は相変わらず情けないなあとか、
バットが体中に突き刺さりまくってる番長とか、外道高校の人たちは外見も外道で声も外道(つーか人外だろ)とか、
番外編のラーメンバカ一代とか何で作ったんだろとか
見所はたくさん(ないかも)です。バカすぎ!
バカすぎてツボにはまる、ってほどでもなくバカなのでどうしようもないな…
こういう映画が平気で本気で作られているあたり、すごく日本はよい国だと思いますよ。

プレミアで☆二つ半で心配だった真夜中の弥次さん喜多さんも楽しみです。
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by lowoolong | 2005-02-24 01:51 | みものききもの

義経

NHK大河ドラマ「義経」、一時見はぐっていましたがまた見るようになりました。
源平合戦・鎌倉幕府の知識といったら、「1167(いい胸毛)の清盛さん」だの「1192つくろう鎌倉幕府」「1221撃承久の乱」(←ちと下劣)、「1333(一味散々)鎌倉幕府」程度ですが、知識がなくても面白い、あったらもっと面白い、というのがよい大河の条件なんでしょうね。(前半が重要)
…悔しいので少し勉強します。

老若男女さまざまな登場人物、またロケが多用されていたりと「新選組!」と同じ枠のドラマかこれはという感じ。なんだか絵的にすげぇ豪華。ズッコい。
見ていてかなりおもしろかったのは、中井貴一の頼朝と財前尚美の北条政子です。
「そのくねくねとしたものいいはなんじゃ!」
政子、一目惚れのとたん素晴らしい捨て台詞です。ラブコメですか。そうなんでしょうね。
私は平家のほうは「なにやら難しいことを言ってやがるな」程度に見ているし、かといって義経さんのほうは鬱々と悩んでらっしゃるようなので、これくらい頼朝がたがルンルンな感じだと見ていて疲れなくてよい。
おもさげながんすとかいつ口走るかと思うと笑えてきます(←己の頭の悪さが)

歌舞伎の演目では、勧進帳はじめこの時代を背景にした演目はとても多いようで。
「鬼一法限」は私が一番最初に見た歌舞伎でしたがあれもそうだし、昨年にタイムスリップしてでも見たかった浅草歌舞伎「吉野山」なんかも。
源九郎狐こと佐藤忠信さんはまだ大河には出てきてない模様、いつになったら義経の仲間になるのでしょうか。楽しみです。
(それにしても、子狐が“親狐の皮でつくられた鼓を持ってるから家来に化けてついてきました”って、歌舞伎ってハリーポッターよりもファンタジーっすね)

三月の襲名興行でも「一条大蔵譚」がありますね。“阿呆を装っていた一条大蔵卿は実はキレモノで、源氏の味方になってやるのですよ!”という話らしいですが(超大雑把)、こういうのはどこまで歴史創作モノにおける「定説」なのでしょうか。まさか忠信が狐なんてえのはないでしょうが、こういう微妙なセンだとちょっと期待してしまいます。
ドラマのほうでは一条大蔵卿、蛭子さんでした。正直「えびすかよ!!」とry

なんにせよ、自分の狭量な知識の中でリンクする物語があるというのは非常に楽しいものです。だから人間は勉強や研究をするのかもしれません。
私もそろそろ本腰を入れて学校の勉強に取り組まなければ。。うーむ。


+++
金曜時代劇「華岡青洲の妻」もみました。
嫁姑戦争が怖すぎます。ここまで波乱万丈に泥沼だともう見続けるしかないですよし。
そして紀州弁「~のし」「~よし」が口癖になりそうで怖いですのし。
今でもこの「よし」だの「のし」だのって使われてるんでしょうか。
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by lowoolong | 2005-02-21 03:00 | みものききもの

二月大歌舞伎 (夜)

見ようかなーどうしよっかなーと思っていた二月歌舞伎
野崎村という演目は興味しんしんだし、「今見逃したらもう二度と見れないかも」という強迫観念におそわれて結局行ってきました。(まあ、そんなこといったらすべての演劇は二度と見れないわけですが…最近、ああ悔しい悔しいと思うことしきり)
だって“野崎村”の主要キャスト五人のいっちゃん年下が73歳だそうですよ。あげくその五人がオール人間国宝ですよ。日本の宝ですよ。すごいね。

■ぢいさんばあさん■
ぢいさんの仁左衛門がかわいい(笑)
二組のバカップルが出てくる話ですよと言えないこともないけど、いやまあ凄いね、一年の単身赴任のはずが人斬っちゃったせいで一度も会えずに三七年。何を考えてるんだ。
これは、ふたりがしんそこラブラブだからこそ、そしてぢいさんの人となりが穏やかで優しげだからこそハッピーエンドになり得る物語だと思います。謝っててもなんか不遜なじいさんだったら再会のシーンが可愛らしく幸せらしくならなそうだもんな。役者を選びそうですねえ。
それにしても「るん」ってかわいい名前だな、と思ったら原作が森鴎外。なんか納得。(だって子どもや孫にアンヌやらジャックやらハンスやらと読む名をつける人ですよ)
悪者役の市川團蔵さんがカッコよかった… 欄干から落ちちゃうのでびっくりしました。

■新版歌祭文(野崎村)■
許婚の久松と婚礼準備にうきうきな田舎娘お光のところに、久松(雁治郎)の元奉公先のお嬢さんお染ちゃんがやってきて、久松と二人心中しようと決意します。最初はお染にムカッ腹をたてていたお光ちゃんもそれをみて、尼さんになって身を引きますわ… という。
大阪松竹座で十月に、勘太郎のお光と七之助のお染という若々初々しい野崎村が演じられて今月はその正反対というか、熟年ベテラン野崎村でしょうかね。
人間国宝がどれだけ凄いのかとかわかりませんが、よかったよかった。芝居って年齢とか顔じゃねえのだな。人間って凄いや。
芝翫のお光。わーわーむにゃむにゃ一人ごといったり、眉を隠して「ワァ恥ずかし」と言ったりするところがもうやばい、かわいいっていうかなんなんでしょう、とても田舎娘っぽい。体型がドラミちゃんみたいなところもすごくよいよ…!(←大失礼)
お染の差し入れをひょいひょいぶん投げたり、縁台に足をぶらぶらさせたり、大根の切れ端をぞんざいにうっちゃったりするような、ちょっとガサツな感じがまたいいです。かーわいい
だからなおさら、最後に「ととさん!!」とおやじさんの胸に伏して泣くお光がえらい可哀想。。あそこ、すっごいよかった。ズキュンときますね。
お光ちゃんも若いから、思わず後先考えずに尼さんになっちゃったんじゃなかろうか。ばかだなあ、男は久松だけじゃねえよ…ってそういう話でもないのか。それにしてもなあ…。
そして雀右衛門のお染。こ、こ、この人は本当に八十数歳なのでありますか?
3B席なのでもちろんよくは見えませんが、とてもそんな歳には見えない。人間ってすげえや… 美人でおっとりしてて優しげで、実にいいお嬢さんなお染さまでした。
にしても久松、八方美人の甲斐性なしですねぇ。いかんねえ。

…勘太郎と七之助の野崎村をますますみたくなりました。

■二人椀久■
仁左衛門と孝太郎さんのおどり。
注目してなかったけど、これがなんとまことに素晴らしく良かった…!!
あんまりびっくり感動してしまって、第一幕が何の演目だったのかしばらく思い出せませんでした。素敵すぎ。もう一度観にいってしまいたいくらい好きだ。
遊女と若者という役どころのせいなのか、顔があまり似てないということなのか、知らなかったらこの二人到底親子とは思えません。孝太郎さんなによーいいじゃないのーちょっとー!
松山太夫(孝太郎)が金色の紙ふぶきふりしきる紗幕の裏で消えていくところ、最高です。やばいやばいこりゃやばい。素敵すぎる。歌舞伎舞踊って、ええねぇ…!
長唄お囃子がこれまた、ぞくぞくするほどカッコよかった。イヨォぉ、っていう掛け声、病みつきになりそうです。
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by lowoolong | 2005-02-15 18:22 | 歌舞伎

銀座文具店

先日は午後から一日暇だったので、銀座をてけてけ歩いてきました。
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銀座ってぇとわたしは以前NHKの金曜時代劇で放映されていた「からくり事件帖~警視庁草子」なんかを連想しますが、あのドラマは面白かった。明治になってレンガ造りの家を銀座に軒並みつくってみたはいいけれど、冬は寒いしすきま風はびょうびょうだし、誰も住まねえよこんなもん、みたいな話があったような気がする。山田風太郎の原作にあとであたってみたら、こっちはもっと大衆小説風で面白かった。

さて。
地下鉄銀座駅のA2口を出てすぐに、鳩居堂(きゅうきょどう)という店があります。
和紙に千代紙、便箋封筒、書道道具にお香など、“わが心の江戸”をくすぐるような文具屋…てか、紙屋?c0022251_16133466.jpg
鳩居堂特製の一筆箋や便箋なんかはシンプルかつ可愛らしくていい感じ。その「鳩居堂」のロゴがはいっているのがいいのよってのは、古今東西かわらぬブランド根性ってやつですかね。それが粋ってもんですかね。
店内全体にお香の匂いがしてて気分がいいですが、しかしなんだろうあの人出は。マダムな方々で月曜日だというのに随分込んでいました。バレンタインだからって関係なさそうだしなぁ

鳩居堂から松屋銀座に伸びる通りを、松屋を通り越してなおもちょっと歩くと赤いクリップの「伊東屋」が。
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こちらは鳩居堂とちがって、本屋で言うところの紀伊国屋のような、とりあえず「文房具なら俺に任せなッ」みたいな文房具屋ですな。ビル全体が文具屋なんていいねえ。
ガラスペンなんていうすてき文具の誘惑から逃れるのが大変だった。前につかったことはありますが、紙に引っかからずするする書ける、とてもイイ感じなペンです。しかしインク壷を倒したりペン先を一発で破損させる恐れのある粗忽者には地雷。

ふたつのすてき文具屋で書く当てもないのに一筆箋とか買ってしまったのでこれから書く相手と内容を見つけようと思います。

その後、銀座の吉野家に行った。「きっとこれは、鶏肉と御飯と照り焼きとわたしへの冒涜なのだろうな」みたいな当店限定の鶏の照り焼き丼を食べてしまってささやかに落ち込む。c0022251_16322288.jpg
さよなら360円。しかも数歩歩いたら安くカツ丼を出している店があった。ちきしょぉー
つーか、吉野家に行くのだったら2月11日に行けばよかったのに…(いつもはずれ玉を手にする家系なの)
銀座に着てまで吉野屋に行くことはないと実感しました。行く前に気づけだよな。

松竹の図書館で、中村屋兄弟初舞台の筋書きを読んでにまにましました。閉架式というのは気恥ずかしいものですな。自意識過剰でしょうけどね。
一昔前のパンフレットって、インタビューのところがかなりミーハーで面白い。なんつうか、どうしてそこを抜粋するんだろう、みたいな。
勘三郎のじじんちゃまは「きょうはジャンパーで来たのですよ!」とかだし。どんなリアクションをとれというのか。それにしても「来たのですよ!」か…来たのですよ…ですよ…!(←ツボ)
いやー、ちびっちゃいかんたろさんとしちのすけ、よいなあ。中村屋のお弟子さんが昔の本で七之助をたべてしまいたいと言ってたけどね、しかたないねこりゃ。にしても兄ちゃんは七之助に似てなくてこりゃまた、…可愛いねぇ~♪(たぶんGとか凄く好きだと思うこういう子)
福助は当時児太郎だったのですねー。橋之助も児太郎もやたら素顔写真が美男でした。

さて、もう時間は十六時でございます。
歌舞伎座は昼夜の入れ替えの時刻、いつみても見ものの混雑っぷり。
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夜の部は「じいさんばあさん」「野崎村」「二人椀久」
さてさて。“人間国宝揃い踏み”という「野崎村」が楽しみです。
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by lowoolong | 2005-02-15 17:04 | みものききもの

小指の思い出 (LD)

あなたがかんだ こゆびがいたい

…といういやに色っぽい往年のヒット曲と関係があるやらないやら
劇団・夢の遊眠社『小指の思い出』(86年本多劇場)です。
学校の図書館にございました。ひゃっほう、もーぅけもーけー♪(濱田マリ)
レーザーディスクって画像びみょん+容量びみょんのくせに凄いかさばるね。その割にけっこう普及してたようで…VHSよりは劣化しないんだろうけど。それを思うと、DVDってつくづく凄い発明だったんだな。

なんかねえ、遊眠社時代のは出だしにいっつもひいてしまいます。「あわないかもっ」と。メルスを見る前に予習として(?)はじめて野田秀樹の芝居『贋作・桜の森の満開の下』をみたのですが、そのときも「うわあこれぁついていけないかも」と思った。しかしその後、展開やテンポがなじんできて、違和感もなくなるのが不思議なところ。この作品もそうでした。やばい。
それにしても深刻なほどわけがわかんない。でも楽しい。もっといろいろ知識があれば、ああ!とかおお!とか発見があるだろうなあ。カスパー・ハウザーとか後から知ったもの。
(※カスパー・ハウザー……19cに実在した、ドイツに突如現れた16歳の野生児。現在では人間との没交渉のためにおこる精神障害の術語、「ひきこもり」の代名詞)

「あかばね当たり屋専門学校」(?)の赤木圭一郎くんと、モグリの当たり屋かつ「子どもの心を忘れたくないあなたへ」みたいな通信販売をしている粕場聖子。粕場聖子の持つ“少年時代”につながっていく、魔女狩りのある世界。

現実世界と妄想世界。
粕場聖子はカスバの女――花はマロニエ、シャンゼリゼ♪(by工藤静香)
過去、心臓が二つ、歯磨き粉
自動販売機と婚約者
指紋がとけていくにつれ解けていくアイデンティティ。「おまえだれだ?」「なまえとけちゃった」
指紋の糸に繋がれた凧、その凧に乗ってアルプスを越える母(わかんねえ~)
「歯、皮膚へ、帆」
「もう、そうするよりしかたがない!」
「音が見えて、色が聞こえるようになるのよ~♪」
「どく、どく、どく、どく」「ざく、ざく、ざく、ざく」
「カスパー・ハウザーは妄想の一族の名だ!」
「あの子達、この薪が私を燃やすことになるとも知らないで…ああ、私を暖めようとしてるんだろうか、…いや?あの子達は本当はすべてわかってやっているのかもしれない…」
「――ああ、なんてことを、これでは私は本当に魔女だぁ…」

(↑台詞とか激しくうろ覚え)

言葉や台詞一つ一つがカッコいいんだけれども、「このストーブが僕らのお母さんだー」とか文字にしてみたらそれこそ「…電波?」としか思えないようなことを言ってて激しくちんぷんかんぷん。でもいいやもう。おもしろかったから。お芝居の魔法ですねぇ。
段田安則が世界一かっこいいとしか思えなくなったり、かと思えば“狩人”の松澤一之(だと思う)に惚れてみたりして大変でした。なんて素敵に格好よろしいのかこの劇団の役者さんは…
それにつけても野田秀樹の女形、粕場聖子が最高。きれいでかわゆい。面白すぎて悔しい。なんだこのひと、一体何を狙ってんだちきしょぉー
そんでもって声がやばい。どうしてこんなに筋のわからない芝居なのに、ぞくぞく震えるような言葉を発してきよるのですか。ラスト、十字架につられながらの述懐はやばいですよ、涙出てきちゃいますよほんとに…
というかそもそもどっからあんな声を出しているんだ。

やばいて…野田秀樹マジやばいて…

ああ、これで勘九郎に続いて二人目、親と全く同い年のおじさまに入れ込んでしまいそうです。
…もう一回見よ。ぜったい見よ。
母、子、少年性、妄想と現実とアイデンティティロスト。
難しくて面白くて嫌になるなぁ…


にしても、「ビデオ入ってる日に間違えないでよォー!」とか、こういうのナマのお芝居ならではの面白さですね。『走れメルス』では、初めて観にいった日は芙蓉が林檎投げに何度も失敗してたのに、次見た時は一度で成功してたりとか。たーのしーい
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by lowoolong | 2005-02-13 01:35 | 演劇

2004紅白再放送

ただいま再放送してますがこれがまたつまらない

大晦日、わたしヌッツォの歌+かんくろさんのコメント位までしか見てなくて
そのあと『ゆく年くる年』まで録画してた『平成中村座NY公演』を見たり
スメタナの「モルダウ」を聞きまくったり(by走れメルス)してたので、
個人的にものすごく「なかむらやぁ~♪」な大晦日を迎えていて非常にネガティブな方向で楽しかったのですがNHK、こりゃねえだろNHK

なんだあの旗の上げ下げゲームは
なんだあの韓国人の多用は
なんだあの人選は

こりゃーまー視聴率40%割りでもしかたないかもね。ってかその前も相当つまらなかったけども。翌日は年の瀬だってのにデフレスパイラルで参ったねこりゃ。
私が審査員だったらもうあの企画もののところはずっと寝てますわ(つーか橋田スガコは『私あんたたちのこと知らないけど」とかって審査員としてあれでいいのか)

NHKはそこまで韓流を盛り上げたいんなら、いっそ別局で日本コリア放送局(NKHK)でも作ったらいかがかしら。いい加減反感を買うよ、あれ。
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by lowoolong | 2005-02-11 20:25 | みものききもの

かぜひき

サッカー勝って嬉しいわー(ニワカサポーターここに極まれり)
ああいうギリギリな勝利ってやっぱあちいね、いいね、川口。
北朝鮮のGKも相当強かったですね,ヒヤヒヤしました


さてなんだか相当自堕落な生活をしてたらちょっと風邪をひいたもより。
人ごみから帰ってきてからすこし喉が痛い。こういう時はねぎ味噌汁を食います。
「これをのみゃ治る!」という思い込みは、まあ危険っちゃ危険ですが案外効きます。

1 長ネギを「ちょっと多すぎるかな」というぐらい刻む

2 長ネギとかつお節と味噌を適量お椀にin

3 お湯を注ぐ


わあ簡単!
とりあえずのどの痛みの常備薬です。これをガッと食って寝る。
ルルとか一緒に服用すればさらに効果が期待できます(それって…)


本日は、NHKスタジオパークにでていた谷原章介があんまり無駄にいやいや普通にかっこううよかったので驚いた。真摯、かつ紳士ですねえ。すてき。
現在公演中の『コーカサスの白墨の輪』は串田和美が演出らしくなんだか面白そうだし(やっぱりチケットとっときゃよかった、ちぇ)どうも最近ご活躍のようで。
金曜時代劇『華岡青洲の妻』あんまり嫁姑が恐えのでしばらく見てなかったけど、次回は見ることにいたしますのし。和歌山弁。
フジテレビの『ニューデザインパラダイス』では女装をしてて、それがまた似合ってて超うける。あの番組はデザインの面白さと谷原の面白さを味わえるなかなかキュートな番組ですね。
それにしてもこのひとを見るたんび「先生ーっ!!」と思ってしまうわー

野田秀樹の『小指の思い出』も見れたし、『やっぱり役者』(中村勘三郎著)をはじめとする歌舞伎の本数冊を母の友人に譲って頂いたのでなんだかラッキー。
これで明日、喉がなおっていればもっといいのですがね。インフルエンザもはやっていることだし気をつけねば、南無南無。
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by lowoolong | 2005-02-11 02:07 | 日暮