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走れメルス~少女の唇からはダイナマイト!~ 二度目

1月27日夜の部@bunkamuraシアターコクーン

三月襲名チケットがweb松竹様のおかげでなんとかとれ、余裕を持ってゆくことが出来ました。やれやれ。
12月29日来、およそ一月ぶりの「走れメルス」でござりんす。

今回はA席、二階席でした。しかし二階席、なかなかよかった。前回は一階右側バルコニーだったため死角になる部分があったり(死角ったって贅沢な意見ですが)表情が見にくいことがあったけど、
今回はそうためらわずオペラグラスを使えるので(あまり使ってる人はいなかったけど…)表情による発見とかも結構あった。凄いね役者というのは…!
映像を使ったシーンも全体像が見えるとかなり新鮮だった。新聞紙が落ちてくるシーン、メルスを追う刑事たち(六角慎司さんが急病のため!七人が六人になってました)の足が大写しになるシーンが凄かった。本当に追っかけられてるみたいに見える。よいなあ。
まあ、グワーッというスピード感と熱はさすがに前の席の方がいいです。飛び散る汗が肉眼で見えるっていうのは、すげえですよやっぱり。

話の流れを知っていたので、最初から切なさがクレッシェンド(<←をながーくした感じのやつ)みたいでした。わたしの見方は何か偏ってる気もします。まあいいか。
舞台全体がみえることで、手を出せないなにかをみつめているきぶんでした。こういう席も悪くないっすね。
スルメとメルスの関係が、前よりもよくわかった…ようなきがする。鏡の反転とか、風呂桶の話とか、相対・性理論とか、メルス側の発見が多かったです。

深津ちゃんの可愛らしさと紙一重の狂気が愛しいです。っていうかすごい。深津絵里すごい。(小学生並の文章)
踊る大走査線でしかあなたを知らなくてどうもごめんなさい。スルメが好きになるのもわかる可愛らしさと狂気。
「どうせ何度ふりかえったって、あんたのかおがうつってるだけじゃない!!」とかの声がすごかった。
かんたろさんは足にひびが入ってるというので、どすんばたんすっ転んだり片足立ったり飛び降りたりする演技はしないのかなあと思ったら実にめいっぱいやってました。あれ、知らなかったら絶対わからない。役者ってすごい。どうも他の役者の発声に比べ声が一直線すぎる気がしますが、あれはあれでいいんでしょうか。
狂気を見せるシーン、前回は死角になっていたのでイマイチ表情がわかりづらかったのですが今回見ててびびりました。こ、怖ッ!!!かんたろさんは全体的に表情変化がすげえなあと思ってましたが、あの眼差しはすごかった。こんな奴に惚れられたら厄介だなあ。ある意味羨ましい。けど厄介だな(エンドレス)

野田大奥さまと古田大地主さまはもう素敵すぎです相変わらず。「ぼうやラグビー」で、ぜえはあしている野田さんに「がんばれ!」という愛の励まし(笑)
この人たちの存在は、芙蓉とスルメ(逃避行カップル)に対する現実主義者みたいなもんなんだろうか。
「拾え、屑鉄を拾え、裸一貫から叩き上げるんだ!」のことばは、絶望的な芙蓉とスルメを残して次に進んでゆく、一昔前の社会のパワーみたいなものを感じました。力ずく、物理的。あれが高度成長期?
スタイリッシュなメルスたちの世界にはバブル期~現在のようなものも感じます。富に対してなんかうつろ。

やっぱりよくわからない話なんですがなんか好きだわ。(ゴダールとかのワケのわからなさは苦手です)
これを二十歳で書いたってンだから、野田秀樹は天才か紙一重か、って多分両方な気がする。

しかし、六人の刑事なのに身元不明の死者七名って言う人数が変わっていないのはどうなのでせう。
入り口で筑紫哲也と、おそらくエレキコミックの谷井(?自信無)、こちらもおそらく平岩紙ちゃんを見ました。
「やたらオーラのあるおっさんだな」と思ってたら筑紫さんだった。かっけーぇ
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by lowoolong | 2005-01-28 00:40 | 演劇

ヴァンプ・ショウ(DVD)

えーと
学校のAVブースに三谷の演劇作品がこれだけあったので見てみました。c0022251_0575083.gif
したらばなんと、

・堺雅人
・佐々木蔵之助
・河原雅彦
・橋本じゅん
・伊藤俊人


という豪華メンツではありませんか。
ていうか伊藤さんじゃありませんか。私この方がなくなったとき初めて、芸能人が亡くなって本気で悲しい、という感覚を味わいましたよ。お、お、おなつかひぃ(泣)

さてお芝居はというと…なんかもっと、コメディっぽいもんだと思っていたんですが
予想外に怖ぇよ!!

あらすじ
島、板東、佐竹、丹下、野田(上記俳優順)の愉快な5人は旅の途中、車で事故って山の駅、一人の女(香)と終電待ちをすることに。ところが電車はなかなか来ない…
夜なのにやたらと元気、杭と十字架っぽいものが苦手、なにやら妙なものをおいしそうに飲んでいる…はてさてこいつらの正体は如何に、女の運命や如何に?


これが芝居の冒頭部分ですが。如何にってお前タイトルからしてって感じですが。
このお芝居はネタバレしちゃうとほんとにどうかなぁって思うのでネタバレを隠してみますよ。

いきなりネタばれですよ
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by lowoolong | 2005-01-20 23:46 | 演劇

CATSみてきました


劇団四季のミュージカルを見るのはマンマミーアに続いて二度目なんだけど、

すご!

Catsは以前友人にブロードウェイ版ビデオをかりてみてたはずなんだけど、

すご!


Catsシアターなるものからしてまずすごいですよ。その演目専門の劇場なんてふつうないですよ。つくっちゃったよ浅利慶太。確かにこのミュージカルはこの空間でなきゃ駄目だな!と思うだけの手の込みよう。
外は大型倉庫をかっちょよくして見ました程度の感じだけど、中は昔のサーカステントなんてのはこんなだったんじゃないかって感じの小さめの円形劇場風。
天井から二階席から電飾が下がるわ壁中に「猫が見た」サイズのアメリカンなゴミが散らばっているわ開演前の舞台はそのゴミの山みたいになってるわで。
 開演前にぷらぷら見てるだけでも相当面白いです。ひぇ~。

 で、ミュージカルそのものも!
 粗筋でいえば「ジェリクルキャッツっていうのは人に飼われない自由な個性的な猫たちのことですよ!今夜はジェリクルキャッツが集会を開きますよ!そして天上に上る唯一の猫が選ばれる日なんだ!」ってなかんじで、へえそうですかいなってかんじですけどね。(叱られそう) その猫の一匹一匹が素敵なことったらないわけですよ。
【ラムタムタガー】って猫は、わたしがビデオ借りたときにいっちばん衝撃的だったキャラクターで、どんだけエロイんだ貴様みたいな印象をもってたんですが実際に見たら随分とダンディズムで最初わかりませんでしたよ。近くで見たらもっとどぎつくエロかったんだろうか。それとも演出が違うんでしょうか。ステージに上げられてたお客さんがやっぱり羨ましい。
老いた役者猫【アスパラガス】はわたしを涙ぐませた相当な猫です(なにさま)
最近脳のたががぶったるんでるようで、こういう“昔はよかったんだよう、俺だって昔はね…”的なおじいさんの話とかヤバイのですよ。過去の覇者が今は落ちぶれた系の。そういう意味で言えばこのミュージカルの一番の素敵猫【グリザベラ】もそうですね。

ほかのねこだっていちいちすげえですよ。そしてみんな美形。女優さんは特に細すぎる上にしなやか!歌う声もちょうかわいいのでした。うはあ
[CATS」ってのはショーとかレビューとかに近い気がしますが、いやいやいやいやすげぇね四季ってのは。
 全員動きが半端ないですよ。ほんとに猫みたい。人間はあんなふうにしなやかに伸びをしたり反り返ってみたり、音も立てずに半身ほどもジャンプしたり、くるくるまわったりできるもんなんですか。しかも微塵も不自然でなく。
 あんな役者さんがあの世界には大勢いるのかと思うと空恐ろしい気分になります。なんだろう、とんでもないことできるんじゃないだろうか?

 音楽もやっぱり良かった。 いい音楽というのはいいミュージカルの大前提だと思いますが、なかでも「メモリー」は非常によいです。ものすごく久々に鳥肌が立ったよ!すげぇ!
この曲とこれを唄う【グリザベラ】の存在は、他の猫たちをすごいすごいカッコいい面白い、と楽しんでみてた空気を、ぐぅっと締めてひきつけるものがあります。「あなたに似ているでしょう、あの人に似ているでしょう、人間に似ているでしょう」というラストのことばを非常に胸にクるものにしてるように思います。

 この舞台は前も書いたけど小さめ円形なので、客いじりがおおくって一階のお客さんは非常に楽しかったんじゃなかろうかと思います。二階のしかも正面よりも左手寄りだったんでちょっと悔しかったです。ねこは一階も二階もかなり縦横無尽にやってきて芝居をしてくれる(←すごいことですよこれ)のですが、やっぱり見せ場のダンスシーンとか歌のシーンとかだとね……これで正面なら最高なのに!とかわたくし、いつものようにけちくさいことをちらりとでも思ってたんですが!が!

カーテンコールのとき、二階にも猫の人が来てですね、ですね、

握手してもらいました…!! 

うわーい!
CATSシアターほんとにしゅてき! と、まんまと四季に篭絡されて帰って来ました。
いやでも、あの劇場はいいですよ。ほんとにいい。
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by lowoolong | 2005-01-07 00:21 | 演劇

走れメルス~少女の唇からはダイナマイト!~

NODAMAP第十回公演、今月のわたしの最大の楽しみであった「走れメルス
12月29日、Bunkamuraシアターコクーンに行って参りましたよ。もうほんとうに劇空間、架空の世界で、ぽやあ~っとしちゃったよ…

正直チケット手に入れてから一月、いやもう二月あまり。学校の図書館に戯曲があったので、思わず借りて、見てから開こう見てから読もう、そうは思えど耐え難く、開いた最初のページに憑かれ、斜め読みに途中くらいまで読んじまったのです。邪道!
でも、だって、難しい…というかわからないんだもの!
野田秀樹の芝居は、ビデオで「贋作桜の森の満開の下」と「ゼンダ城の虜」をみたことがあったんだけど、そん時には圧倒されて「…ああ、意味をとろうとしなくていいのかもな」と思った。
(とくに「桜の森」なんかは、鞠谷友子の声なんかがすごくて心にジンジン来たんだなー…)

今回の席は結構よくって、一階桟敷席の右側でした。舞台に近いー!(どうしても死角になってしまって表情が見えないとこがあるのは仕方ないか)
客席に入った途端、すごいセットが目に飛び込んできて驚きました。荒野のような、がらくたが渦と詰まれたどこか。粉塵が客席の上部に舞っています。それだけでもうどきどきしちゃいました。はう。音楽(ラスト特に!)音響や映像、美術本当によかった。
見ているときはばぁーッと圧倒されて、のせられて、見終わった後からじんじん納得していくタイプの、新鮮なお芝居。


かなしい女と彼女を好きで好きで好きだから不幸な男の話。かな?

下着泥棒のスルメは空想癖の激しい芙蓉を好きで、その芙蓉は母親形見の鏡台と青春歌謡集にうきあがる“向こう岸”のメルス・ノメルクを待っている。
メルス・ノメルクは結婚式の日に花嫁をさらって七人の刑事に追われる大罪人、さらった花嫁零子に肩を叩かれて、昔見た幻影の海の向こうへ乗り出していく、と。

「メルスは逃げていくのではありません!まだ見ぬ君に向かって、走っていくのです!」
「マンジュウとスシオウが坊やを生んだ?」「小火だ!」
「主が死ぬと部下にするの、メルス?」
「おさとう」「おさと」
「もう二度と振り返らないぞ」
「あたしのこと勝手に決めないで!」
「今アンタの罪を盗んでアンタの名前を盗みますよ」
「動機…動機、あの人を愛していました」

一番気になったのが零子の存在です。戦艦の名前を次々連ねていくところで、得体の知れないゾクゾクした気持ちになりました。なんか怖いんだよこの人。
零子はメルスをかき乱すだけ乱すけど、結局は“向こう岸”で完結するわけで、いわば向こう岸の象徴、最後こちらとむこうが重なって向こうが消失(焼失)する?のを考えるとそもそも向こう岸なんてものは虚像、つまり0、(=零個)なのだろうかとか。
馬鹿ちんなんでぐちゃぐちゃ考えてしまいます。(野ッ暮)

痛い愛が切なくて痛い。なるほど、この感情は愛の痛さだ。
ぶわぁっとくるような感情をもらったのですが、名をつけるとすればそれだ。(やぼ!)
見てられないよスルメ…ってのはああそうか、「痛くて」見てられなかったわけなのか。

共有したかったものは青春歌謡集につづられた「彼女の物語」、こちらと向こうが溶け合って薄れてゆく「メルス」の存在、認めたくないけれど彼女は半狂乱でその男を求める、だからその名を盗み罪を盗み、それでも駄目で、そして結局、………

うわー!わっけぇ~!熱い!でもなんでしょうこの痛々しさ!
言葉にしにくいこんな複雑な、熱さと変なノリと勢いと疾走感と苦しさとせつなさ、まとめて表せばそれが「若ぇ~!」ってかんじ。ラスト近くのスピード感はただ圧倒されました。
ていうか野田秀樹、天才と違うの。

“下着泥棒スルメ”な勘太郎さん、ぶっちゃけ一番のお目当てはこのひとと野田さんだったんですが、もうぴかぴかに痛々しい一途な兄ちゃんを演じてました。
そして筋肉!筋肉!(←二度)…身体能力!
狂気を見せるシーンは見物です。駄目なのに情けないのに。
メルスを求める芙蓉を見つめながら、声に出さずに「ふよう、ふよう、ふよう、ふよう…」と呟いている顔が、もうなんかなあ、切なくて凹む。ラストシーンはもうどうにかしてあげてよこの人と…

深津さん可愛くてあやういかんじがいい。「メルスーー!!」の声が耳から離れません。
野田さんは大奥様も桐島女史もなんというか可愛くてどうしようかと。古田新太とのラグビーシーンで素に戻ってるっぽいのが最高です(笑)古田新太(なぜかフルネーム)はやっぱすごいんだなあ。

ああ。もう面白かったけどまだまだ足りない。またもう一度、今度はもっと後ろの席だけど、観にいきます。

走れメロスとは関係あんのかしら…ないかな…?
♪ボヘーミアーの川よーモールダーウよー♪がアタマっからはなれない。
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by lowoolong | 2004-12-30 18:43 | 演劇

BeSeTo演劇祭 

早稲田大学にて十一月期に行われた、日中韓の合同演劇祭「BeSeTo演劇祭」を見てまいりました。besetoとは、各国首都の北京ソウル東京の頭文字。といっても日本のお芝居しか見られなかったのですが。
いやあ。すっげえおもしろかった。

劇団山の手事情社の「道成寺」はほんとに、すさまじかった。

最初に、生卵を卵を吐いては「ギョエー!」とか「キエー!」とか叫ぶ女たちが出てきたので、「ア、アングラ…?」とかアングラ演劇の何たるかもしらないのにびびってましたが、いやあぞくぞくするほど面白かったです。(卵は蛇とかけてるのか~)
今昔物語のやもめ女が鐘に向かってくどくのは、なんとも怖く痛切で、泣きそうになった。
蛇にたたられ狂気に憑かれた僧侶、安珍様いのーが切ない清姫、とにかく役者全員すばらしく身体を使っている。日高川越えと大蛇の表現はすごい。これこそ、脚本だけみて云々するは木をみて森を見ずということになる芝居でしょう。大時代的なせりふ回しが奇抜な衣装に見事に生えている。
近くで観れてとてもよかった。ほんとにただでいいの?

(蛇足ながら「道成寺」というのは歌舞伎でおなじみ、安珍・清姫伝説で知られる和歌山のお寺。
旅の僧侶安珍と清姫は一度で恋に落ちるが、修行の身である安珍は結局清姫をふって逃げる、逃げたその先は道成寺。愛憎に駆られた女の一念大蛇となって、安珍の隠れている鐘を焼き尽くしたという。)
↑これが全体のモチーフとなって、オムニバスのように話が進む。あーー、おもしろかった…





劇団大阪新撰組「玄朴と長英」

小劇場の空間で、役者の誰もが一度も袖に引っ込まないという芝居。
ほとんど玄朴と長英の二人芝居である。スーツをきた男は現代人、二人の話を呆然と眺めているだけ。
まじめで小さくまとまる玄朴と、大言壮語で血の気の熱い長英。サリエリとモーツァルトにたとえるのは強引だろうが、ああいう好きだから憎くて憎くてたまらないという感情は普遍のテーマだと感じる。
役者の熱意あふれる芝居はすごいけど、置いてけぼり感が拭えなかった。
ていうか早口すぎて何を言ってるかわからない…けどまあそれはいいか。
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by lowoolong | 2004-12-30 17:39 | 演劇