2005年 07月 04日 ( 1 )

歌舞伎を舞台にした小説 諸々

こんなものばっかり読んでます

仲蔵狂乱
松井 今朝子 / 講談社 ISBN : 4062090740
初代中村仲蔵、家柄と声に恵まれないながら、努力と芸、また『仮名手本忠臣蔵』の五段目、斧定九郎の扮装を改めたことによって比類ない出世を遂げた役者を描いた小説。

仲蔵さん、か、かっこよ!!
当時の江戸三座ってこんななのかな。江戸歌舞伎狂言の二流派とも言える金井三笑、桜田治助や、おそらく鼻高幸四郎なる五代目幸四郎やら初代中村伝九郎などもでてきます。面白かった。

花に舞う鬼
東 芙美子 / 文芸春秋 ISBN : 4163238301
あらすじを書こうと思うと思わず笑っちまうんですが
見目麗しい天才舞踊家の兄と、これまた美麗な歌舞伎役者の弟と、またぞろ美しい二人の歌舞伎役者が表キラキラ裏ドロドロな歌舞伎の世界で愛憎渦巻く云々かんぬん 
その兄弟やら皆川翔十郎という立ち役者やらを適当にあてはめて読みはじめたら、それが物凄い失敗だったことに途中で気づいた。昼ドラかよ!
ちくしょーなんだこの敗北感(まあこれは私の勝手だけど)
文章が耽美過ぎて、内容もさらにお耽美で、面白かったけど、…ううん。 濃ゆい少女漫画のようなイメージ。きれいきれいばかりでは、美というものは映えません。


カブキの日
小林 恭二 / 新潮社 ISBN : 4101478120
なるほど、歌舞伎でなく「カブキ」なのかーと。
初っ端から、多分現代が舞台なのに歌舞伎茶屋があったり若衆がいたりパラレル観あふれてましたが、中盤の「三階の冒険」なんて、どんなアラビアンナイトだよ…と思った。予想外のものを読んだ。うーん。表紙と中身が合っていない。
カブキとはなにか、ということについては膝を打つものもある。でもやっぱりなんだこりゃ、という印象。三島由紀夫賞って、変わった作品に与えられるものなんだな。

きのね〈下〉
宮尾 登美子 / 新潮社
歌舞伎にはまりたての頃に読んだ、十一世團十郎とその婦人をモデルにした小説。
有名な作品ですが、なるほどじつに面白かった! この役者は誰々のことだろうなとか推測して読むのが楽しい。山村ひょうたん、、(笑)
ラスト、泣けます。

三世沢村田之助―小よし聞書
南条 範夫 / 文芸春秋 ISBN : 4163109404
幕末の名優、三世田之助は「田之太夫」ともよばれ、名のついた「田之助紅」は飛ぶように売れ「田之助髷」の娘がたくさんという人気っぷりだったようで。その人気のさなか、壊疽で手足を失いそれでも舞台に立ち、狂死という最期を遂げる壮絶な役者。
その田之助のもとで長年使えていたという女中・小よしの語る田之助の物語。読みやすい・面白い。
って、これはどこまで本当なんだろう。もうひとつ、田之助についての小説↓

花闇
皆川 博子 / 集英社
これは本当に面白かった。好み。表紙絵が岡田嘉夫なのもまたいいかんじ。
こちらは田之助の元についていた「みすじ」という役者を通して田之助を描いたもの。田之助…やな奴~!でも素敵!みたいな。
皆川博子の作品には、ねっとりした色気や闇を感じますが、田之助の美醜が匂ってくるかのようだった。酔いそうだ。


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地域図書館がこんなに素晴らしい施設だと思えるのは久々であります
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by lowoolong | 2005-07-04 06:56 | 歌舞伎