2005年 03月 25日 ( 1 )

三月大歌舞伎 (夜)

三月二十二日
中村勘九郎改め中村勘三郎襲名興行 (夜の部)


c0022251_483259.jpg歌舞伎の筋書きは二十日過ぎあたりから舞台写真が入るのです。やっと買えた~
今月の表紙は十三代中村勘三郎の「猿若」の絵だそうで
図らずも買った、昼の部第一番の演目「猿若江戸の初櫓」のかんたろさんの舞台写真ととっても似てる。わお。
ついでに「かぶき手帖2005」も買ってしまいましたよ。歌舞伎役者は言うに及ばず、浄瑠璃長唄囃子方までプロフィールが付いております。ナイス。

さて、昼の部から随分と間が空きましたがやっと見に行けました三月夜の部。
いやさ、やられました。

■盛綱陣屋■
兄弟でありながら、敵味方に分かれた佐々木盛綱と高綱。高綱の子・小四郎は、盛綱のもとにとらえられている。盛綱の主君・時政は味方といえども老獪な将軍、小四郎を高綱を陥れる人質にしようとしていることに気付いた盛綱は、母であり小四郎の祖母でもある微妙に小四郎に自害を迫れとお願いします。
しかし小四郎は、父母に会うまで待ってくださいということを聞かない。小四郎の母・篝火がその様子に涙していたりしているうちに、「高綱の首を取ったから検分しろ」と時政がやってきて…

やられた。
…偽首だったとは…!
くっそー、なんつーか、自分の馬鹿さ加減に相当なものを感じます。読解力が皆無なのかな…「あああ!」とまあ、痛快感(といっていいものかどうか)は凄かったけど。感じ方に正解というものはないのだろうけど、筋的にここで騙されてていいんだろうか?まさか「偽首」だったというそのことに騙されていたっていうのは歌舞伎座広しといえども時政とその家来と私だけのような… いや、時政は疑ってたわけだし…わぁー…

首を検分しているときに「とうさま!」と自害した小四郎へ、盛綱が「ほめてやれほめてやれ、はーはぁ~」というところがすっごいカッコよかった。勘三郎が大きい。首の検分で何をそんなに難しい顔をしているのだろうと思っていたら、ハハアなるほど、、ってほんとにどうしようもないな私は…(鬱)
小四郎は中村児太郎、篝火を福助、そして微妙が芝翫。実際に成駒屋親子三代です。リアル!福助が凄くかわいそうだった…。児太郎くんも綺麗だし健気でよかったですが、歌舞伎の子役はああいう喋り方がデフォルトなのでしょうかね?
あーあ小四郎と篝火が哀れでたまらん、ほめてやれじゃねーよ…と落ち込んでいるところに見るからに悪者の和田兵衛(最初も出てきたけど)がやってきたので「わー悪者がきたぞ」とか思っていたら、鉄砲で時政がおいていった櫃をバーンと。中には疑り深い時政が仕掛けた、間者がおったのです。和田兵衛、実はいいひとだったわけやね!
やられた! ←二度目
早瀬や篝火がひょいっと射る弓矢、あれは一体どんな仕掛けになってるんでしょう…(笑)

■保名■
前月の二人椀久に引き続き、狂乱している仁左衛門さんです。
保名というのは安倍晴明の親父ですね。「安倍益材」というのが正式?らしいですが、「芦屋道満大内鑑」の浄瑠璃の中では、狐の葛の葉(クズの葉っぱ)にちなんで安い菜っぱ=保名という命名がなされたと物の本で読みました
きれいやねーとぽかんとしているうちにおわってしまった…
昼の部の「俊寛」やこの「保名」といい、なんか「襲名披露」にしてはめでたくない演目な気がします。別に気にすることでもないんだろうけど、めでたいめでたい、うきうき!って感じにはなれないんじゃないかなー…盛綱陣屋も落ち込むし…

と、なんだか落ち込んでいたところにきましたよ。

■鰯売恋曳網■
うわーうわー楽しかった!!
出てくる登場人物みんながすてきに可愛い。
鰯売りの猿源氏が、大名に化けて高級遊女の蛍火に会いに行きます。でも蛍火の思い人は、まだお姫様だった頃に聞いた、すてきな美声の鰯売りでした… という。なんつー荒唐無稽な話だ、大好きだ。これをつくったのが三島由紀夫だって言うのがまたすごい。
ほたるびさんに、「貝あわせなんてみやびィ~」とか「男合せしてるんじゃなくて~?」とか意地悪を言うほかの傾城。かんたろさんの女形ですよ、予想外に大人っぽいなあ!そして意地悪(笑)

主役二人が可愛すぎる。「この人のことがだいすき!」っていうめろめろっぷりがすごいです。このバカップルめ…!
猿源氏。蛍火さんにぽーっとして、かむろをばーんとつきとばしちゃったり(そんでその子が「うわこのオヤジ超ムカつく」って感じで髪をバサバサ直したりするあたりがすげー笑える)、義太夫さん(清大夫さんです。うれしい☆)にあかんべえされたり、すごくおもしろかった。
「魚尽くし」の合戦物語もいい。「待ってました!」って大向こうがかかったよ(笑)

猿源氏や、「そこをのきゃ、そこをのきゃ」なほたるびさん@玉三郎はもとより
「そんな声で売ってたら鰯が腐るわい!」な海老名なあみだぶつの左団次、遊郭でものめずらしそうにきょろきょろする猿源氏へ「こう!胸張って!」みたいに教えてあげる弥十郎さん(ラブ)、みんなほんとにいい感じで可愛かった。
勘三郎は、あの盛綱と本当に同じ人なのだろうか?というほど、気弱らしく可愛らしくてすごかった。
なんというか、鰯売に関しては「可愛い!」としかいってないような感じですが、とにかく良かったです。盛綱のあのりりしさ、猿源氏の可愛らしさ。すごい、勘三郎。
この演目がラストでようございました。「楽しかった!」とうきうきして帰れます。
最後には皆で復唱する「いせのくに、あこぎがうらの、猿源氏が、いわしこえ~」
思わず真似したくなってしまう。


*あの突き飛ばされたかむろちゃんは、「鼠小僧」の三太役だった清水大稀くんだったんですねー。うーん、芸達者なお子だ…
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by lowoolong | 2005-03-25 00:00 | 歌舞伎