もうだめや
明日は襲名ですよ
どうしましょうっ て私がヤキモキしてもどうしようもないんですけどっ 初日の次の日に行ってきます。きゃー もう「気を抜けばテレビに出ている」勘九郎丈、というかもう勘三郎なの?ふしーぎ を見るたびにワクワクです。きゃー なんか最近は弟も「かんくろーはすごいと思うよ」と横から知ったかなことをぬかしてきたりして生意気な、というかチキショーばーかやろこのやろうめ、というちょっと嬉しい気分であります。何が狙いだ? よりにもよってこんなときに、図書館にリクっていた本が「そろってござい」とばかり届いてボルテージがやばい。中村屋関係の本はいろいろ読みましたが、その中でもっとも好きな本をみつけてしまいました。 鏡獅子三代 勘九郎の挑戦―山川静夫・推理ドキュメント …って言うかこれ中村屋本でもないような…まあいいか 鏡獅子という踊りはもし勘九郎がいま「中村屋十種」とかを作ったとしたら必ず入れるんじゃないかなという気がします。私は玉三郎舞踊集でしか見てないので中村屋の鏡獅子は見れてないのですが、さぞやさぞやと思うばかりの評判でございますね。 この本はNHK取材班の人が踊りの神様のような六代目菊五郎の伝説のごとき鏡獅子と、当時三十歳の勘九郎が踊る鏡獅子を科学的に検証、というなんだかアカデミックなもので。六代目菊五郎の身体のバランスを検証してそれを勘九郎とくらべたり、この踊りで一番大事な小物・獅子頭の揺れの比率とかをしらべたりとか、なんだかとても面白いです。 芸の力を科学で検証なんて阿呆も休み休み言えとか怒られそうですが、私はこういうの好きですね。山川静夫氏は歌舞伎の本をブラウジングしていると必ず目に入ってくるお方ですが、この本はたとえば関容子氏の「役者は勘九郎」「勘三郎楽屋ばなし」のような、いわゆるご贔屓が書いた本でもなく、また役者自身の著書である「勘九郎『か』の字」や「勘九郎ひとりがたり」などというものともちがって、 「この役者はすごい、でもなんですごいんだろうか」 というところを満足させてくれるからでしょうかね。贔屓目抜いて、それでもどうだろ?という。 実際、鏡獅子を踊ってきた方々というのはすごいらしくてね。 鏡獅子なんてさいしょの弥生ちゃんの踊りのところなんかすごく優雅に見えたのに、獅子の頭を振り回しているのとおなじ力が膝にかかっていたりして、実際まったく気の抜けない踊りだそうです。「鼻の穴が四つほしいくらい」という表現は笑っちゃったけど壮絶です。 「五十になって踊れるかな」と三十の勘九郎が語っていたときから二十年、十八で勘太郎が踊り、また今年二十一で七之助が踊り、そうやって継ぐものでつながれていく家族というのは熱くてカッコイイなと思います。 「型破りにしたって、そもそもの型がなくっちゃただの「形なし」だよ」という言葉がすごくいい。この言葉は大好きです。 そーこなくっちゃ! で、いつかきっと「芸も力も充足した」最高潮の鏡獅子を見てみたい、とわたしなどは思うわけで。いまだ予定はなくともそのときが楽しみ、楽しみ。
by lowoolong
| 2005-03-03 01:53
| 日暮
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