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ヴァンプ・ショウ(DVD)

えーと
学校のAVブースに三谷の演劇作品がこれだけあったので見てみました。ヴァンプ・ショウ(DVD)_c0022251_0575083.gif
したらばなんと、

・堺雅人
・佐々木蔵之助
・河原雅彦
・橋本じゅん
・伊藤俊人


という豪華メンツではありませんか。
ていうか伊藤さんじゃありませんか。私この方がなくなったとき初めて、芸能人が亡くなって本気で悲しい、という感覚を味わいましたよ。お、お、おなつかひぃ(泣)

さてお芝居はというと…なんかもっと、コメディっぽいもんだと思っていたんですが
予想外に怖ぇよ!!

あらすじ
島、板東、佐竹、丹下、野田(上記俳優順)の愉快な5人は旅の途中、車で事故って山の駅、一人の女(香)と終電待ちをすることに。ところが電車はなかなか来ない…
夜なのにやたらと元気、杭と十字架っぽいものが苦手、なにやら妙なものをおいしそうに飲んでいる…はてさてこいつらの正体は如何に、女の運命や如何に?


これが芝居の冒頭部分ですが。如何にってお前タイトルからしてって感じですが。
このお芝居はネタバレしちゃうとほんとにどうかなぁって思うのでネタバレを隠してみますよ。




ネタばれ
香に吸血鬼とばれた五人は、殺すか、さもなくば血を吸って仲間にするか、で仲間にすることにいたしました。じゃんけんで勝った坂東が血を吸うところ、島にまんまとその役割を奪われます、がしかし。

島は実は吸血鬼ではありませんでした!そのふりをしていたのは、それでもみんなといたいから。これ以上吸血鬼を増やさないために、香を逃がそうとするけれど、なんだか香は必死さに欠ける。まごついているうちに、真実に気づいた野田は聖水の泉に落ちて消失し、香の血を吸おうとした丹下は杭を刺され、板東は己と佐竹に杭をさせ!と叫ぶ。佐竹は島に襲いかかるが、香に杭を討たれてしまう。
こんなはずじゃなかった、自分が逃がそうとした香はいったい何なんだ…?


…ってーはなしで。

予想外に怖ぇよ!!(二度目) いやいろんな意味でさ
笑えるのと怖いのときゅんとするのが、7:6:2位の割合かしら。怖がりすぎかな?
最初、そんなサイコ話になるとはぜんぜん思わなかったのですよ。いくら吸血鬼ったって、なんか出だしコメディだししりとり歌合戦とかくだらないことやってるし!
ん。いや、予想を裏切られるのはいいんですよ全然。どんと来い。

しかし、人体の不思議展系が激しく苦手な軟弱なわたしは、丹下が聖水的な泉におちて溶けかけてるメイクとか(ひいいぃぃ)、香の鞄から出てきた、彼女の殺した恋人の首とかでジタバタしてしまいましたよ…!

ぶっちゃけねえ、この話もっとコンパクトに出来ると思いますよ。
冒頭の怪談話とか、そりゃそれなりに面白いけど助長な気がする。
終わり方もなんだか「ええっっそれで終わり!?」みたいな感じだし。
テーマとか筋書き的にはもっと面白く出来そうなんだけど。
『新選組!』とかも、「そうするつもりじゃなかったのにどんどんどんどん変な方向にぃい」 ってのがありましたけどね、その方向が笑えない結果にむいちゃうと痛々しいんだよね…
見終わった後もすっきりしないし。割り切れるのがすべてだとはまったく以って思わないけど、ちょっと苦しい。
コメディとホラー(シリアス)が紙一重って感覚は大好きです。こと、吸血鬼というテーマは、『フランケンシュタイン』や小野不由美の『屍鬼』で親しみがあるので(去年そういう授業をとってたし)興味深いのです。
この作品も、これだけ面白いんだからもっともっと面白く出来そうなのに!!  ←本音

五人はとても楽しそうでよいのですが、吸血鬼としての悩みがなー イマイチ足らない気がするんだよなー。切実でない。
坂東が島に、吸血鬼のふりをするのはつらかったろ、なんていうところ、「吸血鬼になりきれない」島の辛さはぴしぴし来るのですがねえ。
なんで香が丹下斬り刻んだのかもよくわからんしな…そういうもんなのかなあ

しかしまあ、
役者さんはやっぱりよかったっすね。

蔵之助(坂東)と橋本じゅん(丹下)は特によかった。
蔵之助かっこいいわぁ。
血を吸おうとするとこが色っぽくていいなぁ。奴ら五人(ほんとは四人)が吸血鬼になった理由が元々このひとなわけですが、案外無責任なくせに最後の最後で「島に殺されるなら本望じゃないか!」とかいうので切なくなってしまいます。
出来ていると噂の(笑)佐竹を押さえつけて、「俺たちにまとめて杭を撃て!」とかいうのはずるい。カッコよすぎる。
じゅんは、いいね!肉体が大食漢っぽくてコミカルでとてもいいね!マジいいです、このひとは見ものです。
新選組にも実は出てました、第四話で勇さんに金を払わず桜田門の変で殺されるネノジロウとか言う名前の弟子ですね。

山南さんとは大違いな感じの堺さん(島)は、やっぱりよい健闘ぶりです。
河原雅彦(佐竹)は演技が薄くて軽い感じがあってた。かわいい。
「坂東さんと佐竹さんは付き合ってるんですよぉー!」って、結局本当かどうかわかりませんが、そうバレた?後のちょっとだけオカマっぽい仕草が素敵です。
「母は不死身の」伊藤俊人(野田)もやっぱよかった。この人の真面目な切れキャラって凄い好きだったのに、…惜しい人を亡くしました。妙に体のこなしが軽くてびっくり。

まあ主役五人は普通以上にいいんですが、駅員役の手塚とおるがおもしろすぎた。やばいです。このひと相当面白いよ。
こういう、役にたたなげで神経質で妙に図に乗った馴れ馴れしいおっさんているよね…!
電話に向かって謝っているところ、面白くて上手くってじりじりします。たまらん。

さて、一番のキーパーソン香役の松尾れい、はじめて見た女優だけど、丁度よいくらいの美人さでした。かわうい。
こういうサイコな話に持ってくのは、彼女の存在の怖さが際だたなきゃ駄目やろと思いますが、、うーん7割くらいかな…説明過剰はよろしくないが、なんかいまひとつ薄い。いや、あのあいまいな感じが怖さにつながってもいるのでしょうが。


もっとがんがんに印象深い芝居にできそうだけど、くさいのはいやってことなのかなあ…
いまひとつなんだよな。総評。の割には随分と、長くなってしまいました。
by lowoolong | 2005-01-20 23:46 | 演劇
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