花翫暦色所八景(はなごよみいろのしょわけ)
五月二十八日@国立劇場大劇場 Aプロ(昼)
携帯を三十数ヶ月ぶりに新機種にしてみたら多機能すぎてイライラしてみたりしているうちにもう六月になってしまって困ったものです。くそう、PCのサイトが見れてもあんま意味ねー! さて、先だって二十八日に国立劇場で行われた舞踊公演 「八変化所作事・花翫暦色所八景(はなごよみいろのしょわけ)」を見て参りました。 国立劇場はさすが元お国の機関だっただけあって、松竹が勘三郎襲名興行で三十億を稼いだりしているのを横目に、復活狂言などに地道に力を入れているそうで。(な、なんか踊らされててすいません)今回コクーン歌舞伎で取り上げられる「桜姫(東文章)」なんかも、昭和四十二年にそういうプロジェクトの力で通し上演をはたしたりしたそうです。ほぉ~ で、今回その「復活上演候補作品調査検討委員会」(長ぇ…)というところが、新しい試みとして掘り出してきたのがこの歌舞伎舞踊「花翫暦色所八景」 四世中村歌右衛門が初演し、今回166年ぶりの復活ということで。もともとはひとりの俳優が八役早替わりでやる演目、今回は四人の舞踊家の方々が二役ずつ早替わりでやっていました。 八役は、「天人」「助六」「年増」「飴売」「景清」「佃船頭」「鷺娘」「雀踊」 その間をかんぺら門兵衛とか朝顔仙平だとかいう人びとが道化っぽくつなぎます。…「助六縁江戸桜」にでてくるんだっけ、たしか ・「天人」で、幕が開けるといきなり天女が宙吊りになっててびっくりした。ほんとに。 ・「佃船頭」、なんかひな祭りの三人仕丁(笑・泣・怒)を思い出した。二枚目風な男が無駄に泣き虫で笑える… ・「鷺娘」、これ、玉三郎の鷺娘を見た後だったのと、そして踊り手が橋之助・福助のお姉さまだという中村光江さん(まえに橋之助が出ている『御宿かわせみ』を見てたら所作指導に名前があったよ)なのとで楽しみでした。すてきだったー! 今回はひとりで八変化ではないので、タイトルで期待するような「変化の楽しさ」っていうのは微妙ですが(ってそれは私が舞踊家さんをほとんど知らないからというのもあるのでしょうが)、いやはやとっても面白かった。…まあ、わたしは舞踊の見方を全然知らないので凄いー綺麗ーみたいにみていただけですけども。(な、なんか私のようなのがこんな風に適当に面白がってていいんだろうか) しかしこの舞踊、絞って二時間だというのなら昔はどれだけやっていたのやら…この舞踊を、歌舞伎俳優がひとり八役早替わりで行うのをちょっと見てみたいなあと思います。 幕切れの群舞、「雀踊」の「ありゃせーこりゃせー♪」とかいう長唄がなんかとても好きです。 舞踊公演とかわたしは一生縁がなかろうな、と思ってたよ……まあ実際、歌舞伎よりもさらにみるまでのきっかけやハードルが高い気はします。そういや国立劇場を訪れたのも高校の時の「歌舞伎教室」以来ですが、今回開演前だだーんと広い校倉造風な建物の前に待っていたのは上品なナイスミドルの方々がほとんどで、「い、一段高いソサイエティの空気を吸った……」とか思いました。 +++ 「題名のない音楽会」 福助がカルメンでしたっ …ううん、カルメンの日本語版の歌詞はあれですね、笑えますね。 「~あたしは焦がーれる、焦がっれっるっっ!!」ってのがもう……(笑) 曲のテンションが高いのでどうにも笑っちゃうんですが、歌詞の意味は結構振り付けの基にした「道成寺」と結構あってて「おっ?」と思いました。 福助のカルメンの衣装(赤/金/頭に大きな赤い花)っていうのがとってもかわいくてすてきでした。
by lowoolong
| 2005-06-02 04:30
| 歌舞伎
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